三上延『ビブリア古書堂の事件手帳 5』メディアワークス文庫2014年初版、 「あとがき」。
《 「念のためとか思って買ったけど……これは使わなんだろうな」と思った本が、 結果的にバンバン登場することがあります。一見無駄なものでもとにかく一度は 手に取らざるを得ません。当然スペースが足りなくなってきます。 》
読みたい本がありすぎて困る(?)。あることはわかっていても見つからない本、 持っているかいないかわからない本、整理が追いつかない。困ったことだ(たいしては 困っていないけど)。だからといって処分する本はろくにない。本はいつ必要になるか わからない。「あとがき」はつづいて。
《 本棚は買い足せばいいのです。 》
壁ドン、できる壁があればねえ。
毎日新聞14日の「今週の本棚」は一面が書評、二面が「2014 この3冊」。後者から 気になる本のいくつか。
磯田道史
水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』集英社新書
トマ・ピケティ『21世紀の資本』みすず書房
増田寛也編著『東京一極集中が招く人口急減』中公新書
《 この3冊を読めばわかる。景気が回復すれば国民生活が良くなるなどという 単純な議論はもはや通用しない。景気は回復しない。しても富は富者に集まる 可能性が高い。 》
加藤陽子
逢坂巖『日本政治とメディア─テレビの登場からネット時代まで』中公新書
《 政治と国民を媒介してきたテレビと政党を、ここまで深く語り尽くした本は なかった。 》
斎藤環
トマス・ピンチョン『重力の虹 上・下』新潮社
《 アメリカ文学史上『白鯨』と並び称される問題作の新訳。原著の息づかいを伝える 翻訳と膨大な注釈の助けもあって、ついに評者も「読んだフリ」を卒業できた。 》
冬至。南瓜を煮る。年賀状の投函終了。銅版画家林由紀子さんがツイッターで17日に 照屋眞理子さんの出世作の短歌を引用していたので、照屋さんに連絡。彼女から返事の葉書。 照屋さんには会ったことがない。ご主人とはK美術館でお目にかかったが。
〈時の流れ(レール・デュ・タン)〉
終(つひ)の一滴馨りたち掌上輕し一壜の虚無
塚本邦雄「公募短歌館」(『短歌』1983年3月号)の選後評。
《 「レール・デュ・タン」がニナ・リッチの香水であることを知らずとも、洒落てゐて、 しかもさすがに凛然として潔い。 》
彼が選後評でもう一首紹介している短歌。
雪月花ふるまぼろしをとどめたる肩まさびしき生の稜線
林さん、18日のツイッターでは。
《 もう一度観たいと長年思っていた「ユリシーズの瞳」DVD観た。昔、 TVで見て即座にエレニ・カラインドルーの主題曲CD買って今も愛聴しているが 映画がまたギリシャ神話的なのだ。 》
『ユリシーズの瞳』はCDでよく聴いているが、映画は未見。氷雪氷河のような音楽に 心が震える。寒いだけじゃない音楽だ。
ネットの見聞。
《 記録的寒波に気候学者が警鐘「地球は氷河期に突入した」 》
http://dmm-news.com/article/903846/
《 「犬のための建築」展で、来場者による投稿から生まれた新しい作品「すきまいす」。 目の付け所に感心しました。画面右下に動画が。 》 原研哉
http://architecturefordogs.com/cn/
《 今日の原発番組、Nスペは安っぽい再現ドラマによる民主党政権バッシング番組 だったのに対し、サイエンスZEROはセシウムボールという物質の挙動と危険性について 冷静に報じた良番組だった。 》 森岡正博