日々貼雑

 昨日はまだ明るいうちから沼津市狩野川花火大会へ自転車で行く。やや離れた堤防上から見るので、音が僅かに遅れる。近くで見ると迫力はあるけど、燃えカスがパラパラ落ちてくる。込み合わない離れたところでのんびり見物。夜が更けて土砂降りの雨が降ったけど、隅田川花火大会は途中から雷雨で中止。

《 雷雨のため開始から約30分後に中止になった。 》

《 ゲストの女優・樹木希林(70)は「わたしね、この歳になると何でも忘れちゃうんですけど、たぶんこの日は忘れないと思います」と苦笑いするしかなかった。 》

 ブックオフ長泉店で二冊。瀬戸内寂聴孤高の人ちくま文庫2007年初版、ジョン・J・ラム『嘆きのテディ・ベア事件』創元推理文庫2011年初版帯付、計210円。

 江戸川乱歩の命日。なので、まだ読んでないの?『芋虫』を講談社江戸川乱歩全集第三巻で読む。昭和四年(1929年)発表。異形の傑作だ。暑い時期に読んで正解。乱歩は書いている。

《 『芋虫』は探偵小説ではない。極端な苦痛と快楽と惨劇を描こうとした小説で、それだけのものである。 》

 それけのものだからこそ、毀誉褒貶、雑多な解釈が可能になった。

 ネットを逍遥していると、あっと気づくことがある。この一文。

《 日野啓三に、毎日少しずつ風に吹かれてマンションに飛んでくる砂粒がいつのまにか堆積して……という幻想的な小説があった。 》

 早坂類女史の短歌集『風の吹く日にベランダにいる』河出書房新社1993年の題名がずっと気になっていた。彼女が日野啓三の小説を敬愛したいたことはよく知っていた。この一文でつながった。

《  どんなにか遥かな場所から僕にくる風の吹く日にベランダにいる  早坂類  》

 下の一文は林芙美子『放浪記』「淫売婦と飯屋」の一文に。

《 男の子」はどうして、いつも高いところばかり見つめるのだろう。いつかは墜落するのに。  》 大野左紀子

《 ピエロは高いところから飛び降りる事は上手だが、飛び上がつて見せる芸当は容易ぢやない。 》 林芙美子

 ネットのうなずき。

《 この程度の暑さ、窓開けてりゃなんとかなる。そう思いながら二階に上がったら、眩暈を起こすほどの暑さ、こりゃいかん。 》