「イスラーム文化」

 朝はぐっと冷え込んだけれど、午後には晴れる。西風がそよ吹く中、国道136号線を自転車で一路南下、ブックオフ函南店へ。文庫本を五冊。関口夏央・谷口ゴロー『坊ちゃんの時代 第四部 明治流星雨』双葉文庫2009年3刷、同『坊ちゃんの時代 第五部 不機嫌亭漱石双葉文庫2009年3刷、山田正紀『恍惚病棟』ハルキ文庫1999年初版、吉行淳之介『エッセイ・コレクション3 作家』ちくま文庫2004年初版、連城三紀彦『夜よ鼠たちのために』ハルキ文庫1998年初版、計525円。単行本棚、新書本棚そして文庫本棚をあ行から見ていって、何も無い……ボウズか、と意気消沈寸前、や行になってやっと出合えた買いたい本。それも五冊。関口夏央・谷口ゴローの二冊は最後の並びにあった。

 井筒俊彦イスラーム文化』岩波文庫2000年18刷を読んだ。三回にわたる講演をもとにした記述なのでわかりやすい。イスラームとは何とも居心地の悪い社会だろう、と思った。信仰の美徳にどっぷりと漬かっている人たちには心地良いかも知れないが、私には無理。概略程度は理解はできたが、どうしようもない隔たりを感じた。ネットにはシオラン『生誕の災厄』にあるという以下の言葉。

《 美徳よりも、悪徳を抱いて生きるほうが屈託がなくてよい。悪徳は本来、気安いものであって、助けあいを旨とし、相互に寛容をもって対している。一方美徳はというと、まことに嫉妬ぶかく、互いに競(せ)りあい、抹殺しあい、何ごとにつけても共存の不可能、相互排斥という実情をさらしてしまう。 》

 E.M.シオラン『生誕の災厄』紀伊国屋書店1976年初版、36頁に見える。

 ネットの見聞。

《 特に興味深かったのは、60年代のいわゆる「悪書追放運動」に関する証言です。正しいことをしていると信じてやまない人々が集団となって、「悪書」を書店店頭や流通から締め出し、出版社の経営者や編集者を吊るし上げにする一幕は、どうにも居心地の悪さを感じさせます。どこからが正常でどこからが異常なのか、その境界はさほど分明ではないにもかかわらず、どうして人間は時として影の方を切り捨てようとするのでしょうね。 》 ウラゲツ☆ブログ

《 公約の信頼性がここまで低くなったのは「いくら公約を破っても次の選挙まではノーペナルティだし、次の選挙結果にもほとんど影響しない」ということを政治家たちが学習したからです。 》 内田樹

《 選挙公報に「前回立候補時になした公約とその実現された比率」を開示するのが公約を効果的に守らせる唯一の方法ですけど、すべての議員が反対するでしょう。 》 内田樹

 ネットの拾いもの。

《 「男が重視するのは「肉体関係があったかどうか、気持ちなどどうでもいい」 女が重視するのは「気持ちが相手にあるかどうか、肉体関係などどうでもいい」 これを理解せずに浮気の言い訳をすると死ぬ」 》