「 オッド・ジョン 」

 オラフ・ステープルドン『オッド・ジョン』ハヤカワ文庫1982年3刷を読んだ。深沢幸雄の 表紙絵目当てで買ったのだけれど、昨日の『対論 脳と生命』で森岡正博がこの本に言及。

《 そのメジャーな方向性は、人類自体が進化のプロセスによって、別の存在へと変容する というものなのですね。ステープルドンの名作『オッド・ジョン』とか『スターメイカー』 なんていうのは、それですね。 》 233頁

《 人間を劣等種族とみなす彼は愚かなる人類により呪詛、疎外されている〈超人類〉を結集し、 新世界を建設すべく崇高かつ遠大な計画を胸に立ちあがった。 》 裏表紙より

 その彼、オッド・ジョンの誕生から二十三歳の死までを描いたSF(スペキュレイティヴ・ フィクション=思索小説)の傑作だ。これはいい。1935年の作。半村良『岬一郎の抵抗』を連想。 引用したい箇所はいくつかあるが、省略。

 ネットの見聞。

《 人間たちが人工知能に真の畏怖を感じるのは、人工知能が創造性を持ち始めたときだろう。 新パラダイムを打ち立てる理論、人を真に感動させる宝のような美術や音楽、それらを人工知能が 続々と創造しはじめたとき、人は底知れぬ恐怖にかられ人工知能を破壊し始めるだろう。 》  森岡正博

《 安倍政権が気持ちの悪いキャンペーンを開始。「首相と日銀総裁、賃上げに強い関心」 だとか、「麻生氏、利益蓄積は守銭奴、投資や賃上げ促す」。つまり国民生活が 予想以上にひどくなることを先取りして、否、すでにデータが入ってきていて、 大企業だけが儲かる社会に批判が及ぶことを見越してのことだ。 》 TertuliaJapon

《 しかし、知識人とか文化人といった生き物が、こんなに安っぽくなるなんて、 昭和の末頃には想像もしなかったな。 》 赤城毅

 ネットの拾いもの。

《 正月に、何百人という人が救急搬送され、死者も出る食べ物を喜んで食べる日本人って、 たぶん他の国から見ると異様なんだろうな。餅おいしい。 》