「 脳と生命 」

 世間ではきょうから仕事始めらしい。朝、友だちからメール。

《 こたつでうとうとしてました 》

 これからが休日の人。

 擦り減った後輪タイヤを交換した自転車を受け取り、ブックオフ長泉店へ。伊園旬 (いぞの・じゅん)『怪盗はショールームでお待ちかね』実業之日本社文庫2014年初版、 谷瑞恵(たに・みずえ)『異人館画廊』集英社文庫2014年3刷帯付、渡辺裕『マーラーと 世紀末ウィーン』岩波現代文庫2004年初版、計一割引291円。

 養老孟司森岡正博『対論 脳と生命』ちくま学芸文庫2003年初版を読んだ。 脳と生命をめぐってじつに多様な問題が討論されている。それも専門的な深い見地から。 これは何らかの問題にぶつかった時、思索の糸口になるものだ。官僚システムから教育まで、 多岐にわたって彫琢深く論じられているが、特に脳死と臓器移植に関しての討論など、 眼から鱗が落ちた。一筋縄で済むような問題ではないわ。尊厳死も。 ヒューマニズムに関する討論もこういう捉え方、考えがあるのか、と知的興奮。

《 森岡  ヒューマニズムは、現実社会に存在する暗黙の差別構造を隠蔽する装置である。
  養老  そうです。だから逆にいうと「人」とは何かということですね。それと ヒューマニズムは間違いなく結びついているんですよ。で、どこかで人間を人間と 思っていないところがあるために起こってくる現象を何とかしようというのが ヒューマニズムであってね。 》 217頁

 元本は1995年に出版。二十年前の討論なのに、内容は今を投影、現在を投射している。 すなわち、(2015年の先)未来へ向かって論じられている。250ページ足らずの本文に112の註。 じつに密度の濃い本。リファランス(参照)的再読必至の本だ。

 ネットの見聞。

《 長州と薩摩は、戊辰戦争で勝手に「錦の御旗」を立てて、自分たちが天皇の側に立つ 「官軍」で敵対者は「賊軍」だという虚偽の構図を作り出して戦いを有利に進めた。 戦前戦中の国家神道体制下の日本でも、自分こそが「愛国者」で敵対者は「非国民」 だという錯覚で反対者を弾圧する政治手法が多用された。 》 山崎雅弘

 ネットの拾いもの。

《 屏風とEUは広げすぎると倒れる 》

《 あなただけ今晩は 》