『言葉を育てる』

 朝から休日モード。大人(初老?)の休日。モーリス・エル・メディオニとロベルト・ロドリゲスの共演盤『 DESCARGA ORIENTAL 』piranha2006年をかけて一時間をぼんやり過ごす。ぼんやりするはずだ。お昼のNHKニュースで静岡三島 34.8度だったかな表示。居間のエアコンを起動。

 米原万里対談集『言葉を育てる』ちくま文庫2008年初版をパラパラと読む。

《 そのとき一通り読んでショックだったのは、近代に入ってからの日本文学がおそろしく退屈だってことなの。 普通の人、たとえばサラリーマンが仕事して帰ってきて疲れて読むのに、このつまらなさに耐えられるのかしら。 『南総里見八犬伝』は面白かったのに、明治になったとたんに文学が娯楽の対極になる。自分の忍耐力をテストするために 読むみたいな。 》 28頁

 姫野カオルコ言う「気持ち文学とすじ文学」の違いでは、とも思う。

《 すじ文学=事件がおきて、それがどうなって、どうしたかなど、すじ(筋、ストーリー)を読むことをメインにしたもの。
  気持ち文学=とくに、なにがあるわけでもなく、出てくる人の気持ちとか考えとか感覚をメインに書いたもの。 》

《 言葉って文章なんですよ。 》 53頁

《 日常会話だけでは多様な表現方法や複雑な概念は身につかないんですよ。 》 53頁

《 訳すということにおいて一番重要なのは、意味を伝えることで、言葉を正確になぞることとは本質的に異なるってことね。  》 79頁

《 記者会見の三時間前に通訳の私に渡された外相のスピーチ原稿には、「文字通り裸のつき合いをした」と書かれて ありました。苦肉の策で、両外相が一緒にサウナに入って親交を深めたということを殊更強調することにしたのでしょう。 ロシア語にはこの慣用句はありません。(中略)会見三十分前になって、耐えきれなくなった私は報道官に申し上げました。 「例の、「文字通り裸のつき合い」という表現ですが……」「だから、言ったでしょう、大臣がぜひともと」「あの、真偽は 定かではありませんが、B外相は同性愛者という説があるんです、ロシアでは。だから字句通り訳すと、会見場は爆笑すると 思うんです。それでもいいですか?」   報道官の顔色はサッと変わり、かれはすぐさま大臣秘書に電話を入れ、原稿はただちに訂正されました。 》  82-83頁

 この本を選んでよかった。いい消夏法だ。

《 ロシアの学校では、できようとできまいとそのものが個性で、地球上でたったひとりの存在だということを常に 感じるわけです。そうであるならば、人と比べたり劣等感をもったりする必要はまったくないわけです。日本に帰って その差がすごく大きいなと感じました。 》 91頁

《 日本には、何か身も心も親分に捧げてしまうところがありませんか。もう少し計算すればよいのにと思うけれども。 》  111頁

 ネットの見聞。

《 「若者は全てにおいて大人に見えない未来を読み取っていて正しい」というのが励みになったのを未だに覚えている。  》 木下斉
 https://twitter.com/shoutengai/status/759558423750901760

 ネットの拾いもの。

《 (´-`).。oO(検察の求刑論告にも「売名の為に活動し」って散々書かれてたけど、 わたしの名前を世界にまで売ったのはお前らやんか、っつの。 》 ろくでなし子一審一部無罪!
 https://twitter.com/6d745/status/759536032270340096

《 キャンプのときに蚊取り線香持っていくと壊れたりしてたんだけど、CDケースがジャストサイズということに気づいた。  》 ちん
 https://twitter.com/nirinbenri/status/505957605190012928

《 田舎からスイカが送られてきたので
  この食べ方は一度やってみたかった 》 こんぶ
 https://twitter.com/_comb_/status/759242870662520832

《 なまず味のなまずが食べたい 》