女性はコレクション(蒐集)をしないと聞く。カレル・チャペックにもそんな件(くだり)があった。
《 女ってものはありとあらゆる情熱はありますが、コレクションだけはしないもんです。昆虫でも、古版本でも、 そんなものを集めている女の人にあったことがありますか。そんなことはありえないんです。 》 『ポケットの 中のチャペック』収録「盗まれたサボテン」
女性のコレクターは周囲には見当たらないが、お金を集める=蓄財好きな女性は、名指しはしないがよく見かける。 話題が逸れた。内田魯庵とその周辺の人たちの蒐集癖には共感と苦笑を禁じ得ないが、昨今の蒐集範囲はじつに広い。 管見では、女性ではホテルのコスメティックを蒐集調査した人は、その分野の権威=コンサルタントになった。 アパートの間取りを調査する人(佐藤和歌子『間取りの手帳』リトル・モア2003年)。他人の財布の中身を調査する人 (こうざいきよ『財布の中身』ちくま文庫2003年)。財布なあ。
三夕やさいふをさがす秋の暮 加藤郁乎
スーパーで食料を調達。レジで去り行く福沢諭吉よ。食料品の包装物は蒐集する気にならない。
佐藤和歌子『間取りの手帳』はちくま文庫にもなったが、元本のほうが面白いと思う。そういえば、雑誌『BRUTUS』 2006年6月15日号の本特集、「新書と文庫のブックガイド」の「間取りって楽しい!」の五冊で五番目に紹介。
《 部屋が6畳でベランダ50畳など、開いた口がふさがらない賃貸物件ばかりを家賃とともに網羅。いったい誰がこんな 間取りを考え、よりによって人に貸す? 暮らしやすさを提唱した今までの4冊は何だったんだろう…。 》
『間取りの手帳』の続編『間取り相談室』リトル・モア2005年初版の著者紹介。
《 1980年、川崎市生まれ
間取り収集家、マッド・マドリスト 》
内田魯庵が相好を崩して喜びそう。相談から。左ページは間取り図、右ページが相談。相談の9番。
《 同棲中の彼女が
エロすぎて困る。
(林亮平 32歳 会社員)
そんなことで困るな! 》
相談内容があまりにおバカ、おマヌケで爆笑。巻末に一言。
《 この物語はフィクションです。 》
古本『明治の文学 第11巻 内田魯庵』筑摩書房2001年初版帯付が届く。400円。鹿島茂の解説から。
《 どれも、いやいや書かれたにもかかわらず優れた作品なのである。この書くときの意識と、書かれたものの品質との 落差が魯庵のカルト的人気の一つなのである。これが反対だったら、目も当てられないものになっただろう。 》
本棚にある『社会百面相』岩波文庫、『魯庵日記』講談社文芸文庫とは収録がダブらない。よかった。
男性はこんなものを!と天を仰ぐようなモノを蒐集している。以前読んだのだが、一日歩いた靴の裏に付いた土などを 一日ごとに小さなガラスの器に収めておく人。なんと阿呆らしいと当時はあきれたが、今ではこれは貴重だと考えている。 靴裏の付着物からその時代相が見えてくる。私のガラカクタ蒐集物はその名のとおり金要らずで入手したもの。例えば 1974年12月14日の新聞折込広告一式。折込広告の多くは地域限定の広告。そこに興味を覚えた。世相の一次資料として有効。 まあ、金儲けにはつながらないブツばかりだ。金儲けにつながらないブツの蒐集に勤しむのは男性ばかりか。そういえば 以前テレビで蜘蛛の巣を蒐集しているオバサンが、コレクションを大切にする方に譲りたいと言っていた。黒紙に張りついた 蜘蛛の巣の形状は見事なものだったが、その後を知らない。その番組と思しき記事がネットにあった。
《 番組は2007年7月13日の朝日放送「おはようコールABC」におけるクモの巣採集家の紹介と思われる。 》
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000099812
伊豆箱根鉄道駿豆線全線の踏切の名前を写真に撮っておきたいと、少しずつ撮りためている。全長二十キロほどなので、 終点の修善寺駅方面はいつになるやら。先だって撮った踏切の名は「第二水車踏切」。稲穂を見渡す。水車はどこに?
印象深い踏切の名は、御殿場線の沼津市にある「裏箱根街道踏切」。
他に踏切で撮りたいのは富士市の岳南鉄道。短いから楽。でもまだその気にならない。
ネットの見聞。
《 東日本大震災直前 震源地の上空の電子数が大幅変化 》 NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161001/k10010713691000.html
《 これを日本でやってみると国土面積だけでなく、「日本て本当に、南北に長いなぁ」と実感する。 》 Rogue Monk
https://twitter.com/Rogue_Monk/status/782006766150176769
《 民主主義の破壊と体制復古を狙う議員その他の組織とか、優性思想をかかげ弱者抹殺を主張する医者の団体とか、 われわれは通俗スリラーの世界に生きているのかもしれない。某フリーアナに至ってはゴルゴ13に登場する、 政変のため使われる役者そのまんまの軽薄さ。 》 芦辺 拓
https://twitter.com/ashibetaku/status/782059179892539392
ネットの拾いもの。
《 アベノミクス!
ダレノミクス?
オレノミクス(上級)
ダメノミクス... 》
《 アベノミクスがなければアベノミクスの効果は確実に出ていただろうな 》
《 どれだけ投げても帰って来る、
貧乏という名のブーメラン。 》