清水高志『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第6章 『作家、学者、そして哲学者は世界を一周する』」 を読んだ。内容があまりに多岐にわたり、再読したが、やはり手に負えぬ。で、簡単に。
《 この書は直接的には、フランスの社会人類学研究室(L・A・S)主任である、フィリップ・デスコーラの理論に着想を得て書かれたものである。 》 229頁
《 客観的時間の発見は、機械式時計という技術的対象によってもたらされ、それを媒介に私たちの社会的実践も調節され、機能するようになる。「唯一のもの」 としての客観的な世界が見出されることで、主観はめいめい相対化されつつ結びつくことになるのだ。一方で、このモデルは自然そのもの、つまり天体や動物に 対しても適用され、この技術的対象が「唯一のもの」としての自然の一貫性を逆に説明するという現象が起こってくる。 》 258頁
《 いま一度振り返っておこう。アニミズム、トーテミズム、ナチュラリズム、アナロジズムの四類型によるデスコーラの考察は、一見すると人類の諸文化を 数種のカテゴリーのうちにただ包摂して理解するものであるかに思われる。しかし実際には、それは自然と文化が相互に関わるあり方を、どちらの極が「一」 であり、また「多」であるか、という「一対多」(あるいは「多対多」)関係と組み合わせて捉えようとする企てであり、さまざまな応用が可能なものだ。 》 264頁
この章の結び。
《 本書で採りあげたさまざまなセールの仕事は、各々が反響しあっており、それらの一つ一つはたとえ断片であったとしても、他のすべてのテキストたちについて 静かな饒舌さをもって語るのだ。 》 265頁
きょうも睡眠十時間。これが適正のようだ。まあ、寝たきりにはまだなりそうにない。
風は強いけど春の陽気なので、自転車でブックオフ函南店へ。うーん、気持ち良いかな、風。荒川洋治『忘れられる過去』朝日文庫2011年初版、小泉喜美子 『弁護側の証人』集英社文庫2009年7刷帯付、計216円。後者の帯には「各氏絶賛」と、我孫子武丸、綾辻行人、宇江佐真里、千街晶之、貫井徳郎、法月綸太郎の推薦文。 解説は道尾秀介。なんという豪華な布陣。
ネット、いろいろ。
《 保存と修理の文化史 》 京都文化博物館
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_shibun_post/hozon_shuri/
《 はじめから、成功者は誰もいません。きっと時間もかかります。しかし誰もが「無謀」から、第一歩をはじめるものなのです。 》 高城剛
https://twitter.com/takashiro_bot_/status/962453075129593856