閑人亭日録

『 納涼図屏風 』

 久隅守景(くすみ・もりかげ)筆『 納涼図屏風 』を観に東京国立博物館へ行く。券売所に行列! 大方は東寺展目当ての人で平成館へぞろぞろ向かう。いざ本館へ。 『唐獅子図屏風』、『檜図屏風』、『秋冬山水図』と立て続けに力のこもった名作におおっと目を瞠る。凄いことは凄いが、細部に痛み。欲しくはないなあ。 ずーっと眺めていって出合いました!『 納涼図屏風 』。予想よりちょっと小さめ。しかし、さり気なく面白い。横になっている父親の着物が薄い青とは知らなかった。 横座りのカミさんの静かな佇まいがなんとも品がある。慎み深い気品のある美人だ。しかし、これもまた細部に痛み。管理が大変。いいけどやはり欲しくはないなあ。 ここで見ているだけで充分。その右横には円山応挙のどえらく力の入った孔雀の豪勢な絵。『 納涼図屏風 』の横とはまた、なんという意図か。苦笑。それにしても 一見肩の力の抜けた『 納涼図屏風 』を国宝に指定した眼力の持ち主に感服。小原古邨の木版画に通じるものを感じた。江戸時代までの絵画は納得の行く展示だったが。 さて、明治以降の絵画、彫刻、陶芸などは・・・拍子抜け。横山大観の墨絵はどこがいいのか、やはりわからずじまい。賞味期限を考えてしまう。

 ネット、うろうろ。

《 作品を買って所有する事で何より良いのは普通なら数分、数時間の展示鑑賞体験が、自分が日々を過ごす中に配置する事で数年、数十年、もしくは一生味わうことが 可能な点で、圧倒的に深くその作品を観ることが出来る。その機会が失われるのが辛いと思ったらもう手に入れるしかないという思考になる。 》 梅ラボ*
  https://twitter.com/umelabo/status/1134021532827602946

 『 納涼図屏風 』は、上記のとおり所有欲はない。

《 自己肯定感を持つことの効用の1つは、場からの自律性を保てることで、機能的観点から言えば、どこでもリラックスできるということ。緊張していると、 注意力が相手や場や内面化した視線にとらわれてしまうので、五感からの快楽を捉えきれない。言語を外し、身体を緩めることが快楽を享受する第一歩。 》 上妻世海
  https://twitter.com/skkzm/status/1134083293328990208

《 能動的受動性と自己肯定とリラックスというのは、創造性に加えて、気持ちいいセックスに必要な条件であり、マルセル・デュシャンを始め多くの芸術家が エロティシズムと創造性を共に据えながら思考している理由でもあると、僕は考えています。 》 上妻世海
  https://twitter.com/skkzm/status/1134277039576440834

 『 納涼図屏風 』の解説に使えそう。

《 安くたくさん問題はあらゆる分野にある。ちゃんと価値を認め、少量(の仕事)でも食べていくためには、まずはタダ売りからの脱却が第一歩。 意外と世の中にはタダの依頼がたくさんある。 》 木下斉
  https://twitter.com/shoutengai/status/1134240779981869056

 明日のテレビ放送がお蔵入りになったが、局からはロケ出演へのお礼の言葉も謝礼もない。NHKテレビはボールペンなどの粗品(!)を用意するが。先だっての 某依頼には、私以外の専門家にはかくかくしかじかの謝礼が必要、と文書にして手渡した。それ以来音沙汰なし。

《 「米F35B戦闘機は極めて短命」にドキッとする。8000時間の耐用時間が期待されるのに、約4分の1の2100時間しか飛行に耐えられないんだ。トランプのニンマリ顔に 合点がいくね。コスパがどうのを超え、とんでもない金食い虫をつかまされたんだ。しかも言い値の爆買いで。調達をやめた英仏独は賢明だなあ。 》 立川談四楼
  https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1134302967710879744

《 「それでも戦闘機がほちい」といって買い続けるあたしたちの政府。このままで本当にいいの? 》 古屋美登里
  https://twitter.com/middymiddle/status/1133544192179724289