『本朝三十家名畫集』(閑人亭日録)

 審美書院と國華社の木版画とコロタイプ印刷画を見ていると、お、これは小原古邨の版画の元ネタでは?と気づいたり、『本朝三十家名畫集』國華社の最後の作品が 渡邊崋山『千山萬水圖』紙本着色であるのに驚いたり。その解説より。

《 此千山萬水圖は實に渠(か)れ妙晩年の傑作なり。 》
  http://www.shizubi.jp/blog/2017/08/post-182.php

 なに、静岡市美術館で展示? 知らんぞ。おいおい。だが、この絵は遅ればせながら『芸術新潮』新潮社2018年5月号の「特集 最強の日本絵画」で知った。美術史家 狩野博幸は「偏愛ベスト3+α」で言う。

《 僕が選外で挙げたいのは渡辺崋山の《千山萬水圖》。(中略)おそろしいほど美しい日本画です。 》 93頁

 『本朝三十家名畫集』では白黒のコロタイプ印刷だったので、そこまでは気づかなかった。いい作品は世紀を超えて伝わる。
 『本朝三十家名畫集』の選定規準を抄録。

《 藤原隆能(ふじわら の たかよし)以下渡邊崋山に至る三十家を定むる(中略)三十家中には特に宗教畫を専門とせる者を除きたり、 》

 『芸術新潮』「特集 最強の日本絵画」で挙がっている画家で、『本朝三十家名畫集』では外れている画家の一部を記す。能阿弥、長谷川等伯俵屋宗達、鈴木其一、 長沢芦雪伊藤若冲曾我蕭白等々。選出が重なっている画家でも選ばれた絵はほとんどが違っている。雪舟等楊、久隅守景、岩佐又兵衛円山応挙酒井抱一ら きりがない。面白いものだ。

 心筋梗塞で逝った亡父の祥月命日。翌日の葬儀の日も真夏の暑さだった。母と二人で四十六年。七月七日、母が老衰で他界。昭和・平成・令和。長かった時代が ・・・終わった。ご近所の会う人ごとに「よく頑張ったね」と労われた。胸熱。

 昼まで源兵衛川を案内。本の記事の取材に東京から三人来訪。午後市役所への取材というので、市役所地下の食堂で昼食。昭和レトロの内装がなんとも味わい深い。 料理も昭和感満載。ご飯はジャーから盛り放題。ここは紹介したくなる。

 ネット、うろうろ。

《 元内閣官房参与藤井聡教授が「折角我々が作ったアベノミクスを失敗させるなんて」と消費増税に激怒している。貧困層の生活を直撃する税制で経団連の お友達企業や外資を丸々太らせるとは、売国奴の所業であって愛国者の政治ではない。そもそも三十年前まで0%で回っていたじゃないか。さっさと下げろ。 》 一水会
  https://twitter.com/issuikai_jp/status/1178821787938738176

《  【覚えておくと便利な言い訳事典】
  ・しっかり注視している
  ・万全の対策をしている
  ・適切に対応している
  ・真摯に受け止める
  ・丁寧に説明していく
  ・その指摘は当たらない
  ・まったく問題ない 》 gekkoukagemushi
  https://twitter.com/gekkoukagemushi/status/1178876598952415233

《 全自動手書きレポートマシンを作ってみた! 》 たむ
  https://www.nicovideo.jp/watch/sm35752697

《 あいトリに交付予定だった「文化資源活用推進事業」とは何か。「日本博」とも関連 》 美術手帖      https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20640#.XZG6ccfn0CY.twitter

《 文化庁が交付を撤回した補助金は何か? 》 快適な生活
  http://kaiteki.hateblo.jp/entry/2019/10/01/011808

《 批評家にとって傑作とは、比較しうる作品であって、傑作みたいな風をしている。ところで、傑作が、傑作らしい風をしている筈はない。 傑作とは必ずがに股であり、不十分であり、間違いだらけである。なぜなら、その過ちが勝利を占め、その間違いが神聖化されて、傑作となるからである。 》  Jean Cocteau
  https://twitter.com/Cocteau_ESSAI/status/1178063414888812544

  ライラック来 蟹股の神ら   加藤郁乎