『雪女』(閑人亭日録)

 『雪女』を読んだ。森万紀子の長編『雪女』新潮社1980年刊ではなく(これはこれで印象深かった)、昨日ふれた眞鍋呉夫の句集『雪女』冥草舎1992年刊を読んだ。 全編を読んだ印象は、遠心力と求心力がどちらか一方に偏るのではなく、遠心と求心とがうまく兼ね合っている、と感じた。どの句が良いのか私の判断するところではない。 好みの句をいくつか。

   花冷(はなびえ)のグラスの脚の細さかな

   雪 櫻 螢 白桃 汝が乳房

   大いなる舌が天(そら)から垂れさがり

   うつぶせの寝顔をさなし雪女

   行く年の釘の頭が光りをり

   寒茜(かんあかね)われもけものの影曳きて

 【他の人の俳句との協奏】

   水晶を斫(き)りだす響秋立ちて
     ×
   蝶墜ちて大音響の結氷期  富沢赤黄男

   口紅のあるかなきかに雪女
     ×
   白牡丹といふといへども紅ほのか  高浜虚子

   夢の世にひと戀へば息白くなる
     ×
   夢の世に葱を作りて寂しさよ  永田耕衣

   去年(こぞ)今年雪降りしきる閉伊郡(へいごほり)
     ×
   去年今年貫く棒の如きもの  高浜虚子

   さびしくて雪の安達太良(あだたら)身顫(ぶる)ひす
     ×
   木枯の果てはありけり海の音  池西言水

   十方に月光逆子まだ寝(い)ねず
     ×
   十方にこがらし女身錐揉に  三橋鷹女

   わが夢にきらめく雁の泪かな
     ×
   雁ゆきてまた夕空を滴(したた)らす  藤田湘子

   龍骨となりし破船に月冴えて
     ×
   秋の暮大魚の骨を海が引く  西東三鬼

 【他の人の短歌との協奏】

   離れ鵜に他界の光さしてをり
     ×
   他界より眺めてあらばしづかなる的となるべき
     ゆふぐれの水                         葛原妙子

   唇(くち)吸へば花は光を曳いて墜ち
     ×
   ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて
     谷にゆくかも        上田三四二

   生身魂(いきみたま)青蚊帳ぐるみ透きたまふ
     ×
   螢なすこころごころをときはなち並みて會はざる
     白蚊帳(しろがや)の中(うち)  照屋真理子

   白桃を剥(む)くや膜なす光の蜜
     ×
   少女おんなとなりしかなかなかなしくて季節おくれの桃
     食っておる              福島泰樹

   羅(うすもの)に螢のやうな子を宿し
     ×
   疾風に逆らひとべる声の下軽羅を干して軽羅の少女
                       相良宏

 寒風雨。家こもり。

 ネット、うろうろ。

《  こんな凄い雹(ひょう)は
  学級文庫の「世界の七不思議」でしか
  見たこと無いな… 》 不変哲
  https://twitter.com/Pg45FAVaoi6lRid/status/1221290320429645824

《  もう一つ、地球環境学を研究している者として思うのは、AIや機械学習による判断が差別や偏見を抑えたもので人類に良いことでも、有限の地球に良いか悪いか ということが織り込まれているとは限らないということである。

  知られていない地球環境の危機を助長させる判断は大いにあり得るし、 》 マサトきょーじゅ
  https://twitter.com/MasatoNakamura/status/1221300904793726977

《 ロボットが女性の形をしているのを見るたび、「ピグマリオン」的欲望がいかに深く刻まれているかがわかる。 》 大野左紀子
  https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1221927159356252161

《  この官房長官が居座ることの方が危険です。功績があった方々の名前を隠すのが「国家機密」だと言っている。もう嘘の上塗りが無理なレベルにきていることを 自分で晒している。
  【「桜」名簿廃棄記録開示しないのは「国家機密漏えいの危険増すから」菅氏、国会で】毎日新聞 》 松尾貴史
  https://twitter.com/Kitsch_Matsuo/status/1221858905665335296

《 モノを買うと10%の罰金を取られるからなるべく買わない。 》 いけませ〜ん
  https://twitter.com/hc5XCgxJI8FRCfY/status/1221766011491209220