『レヴィナス』三(閑人亭日録)

 熊野純彦レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』岩波書店1999年初版、「第一部 所有することのかなたへ」「第3章 所有と労働」を読んだ。

《 私の眠りはどこへも移りゆくことがない。私は〈私〉のなかにとざされ、眠りは眠りの内部にとどまっている。 》 38頁

《 レヴィナスがいうように、「家」はたんなる道具ではない。(中略)〈すみか〉はかくて、たんに所有と労働の条件であるばかりではなく、同時に世界が世界として 立ちあらわれるための制約なのである。 》 39頁

《 レヴィナスによれば、そして、たんなる環境あるいは環境を超えた世界、〈もの〉たちの世界を、〈家〉によってはじめて可能となる所有と労働が切りひらくことになる。  》 40頁

《 欲求を充足させているとき、つまり享受しているさなか、ひとは環境世界を同化している。環境にたいする依存は、つぎに飢え渇くまで「繰り延べ」られる。欲求は こうして、「時間をかいした依存」である。──享受は感覚である。あるいは「感受性が享受である」。 》 44頁

《 ひとはたしかに、大気や光、風景によって生きている。私と世界との始原的な関係は享受というかたちでかたどられる。労働もまた「それによって私が生きるもの」 となる。労働の必要は、享受の繰り延べをかいし、その延長上にうまれる。いまや「〈私〉は、大気によって、光によって、パンによって生きるように、私の労働によって 生きる」ことになる。 》 45頁

《 大気のような〈かたち〉のないもの、あるいはまた雲や炎のように〈かたち〉にさだまりのないもの、風のように吹ききたって、すぐさま吹きすぎてゆくもの、 水のように流れてとどまらないものもものである。それらはじっさいレヴィナスのいう〈始原的なもの〉である。 》 48-49頁

《 そのあいまいな理解の内容を強いて分節化して整理しておけば、〈もの〉とは、おおむね、一定のはばとかさをもって「延長」し、しかも特定の空間を占有する 「不加入」的な存在者であり、かつ外部から力がくわえられないかぎり不動な、あるいは一様な運動をつづける「惰性」的な存在者であると理解されていよう。 》 49頁

《 そうであるとすれば、ひとが一般に〈もの〉の典型として念頭におくもの、「世界」の構造成素としてイメージする存在者は、ほんとうはもの一般ではない。それは むしろ「剛体」にちかい物体なのである。──物体としての〈もの〉がなりたち、世界が実体的な存在者からなる世界としてひらかれてくるのは、所有と労働にたいして、 なのだ、とレヴィナスはいう。 》 49-50頁

《 〈始原的なもの〉から分離されたものが〈もの〉でありつづけるために、それは〈始原的なもの〉から切断しつづけられなければならない。 》 52頁

《 〈すみか〉あるいは〈家〉とは、始原的な場所(トポス)のなかで、その場所からとりあえずは切断されたところ、非-場所(ウー・トポス)なのであった。だから、 ものを把持し、〈もの〉を構成する労働は〈すみか〉をもたない存在には不可能なのである。 》 53頁

《 労働は、レヴィナスによればしかし、たんに所有のみを創設するばかりではない。労働はまた、〈もの〉をつくりだすことで、実体を、あるいは諸性質の基体を つくりだす。労働は〈もの〉からなる世界を、実体がかたちづくる世界を創設するのである。 》 53頁

《 労働とともに可能となる「所有が存在から変化を剥奪する」。要するに所有が「ものを〈もの〉として構成する」のである。──〈もの〉は把持され、蓄積される。 「所有のみが、享受の純粋な質のなかに、永続性を創設する」。享受される純粋な質、ものの諸性質の背後で持続し、それらをささえているあるものとは、基体としての 実体にほかならない。〈始原的なもの〉は恒常的に存在する実体ではない。だが、所有される〈もの〉は実体となる。 》 54頁

《 世界が生成するとこ、地上はもはや無主の大地ではない。労働とともに、この地上に所有の痕がふかく刻み込まれる。所有とは労働と根をともにするものであるとともに、 労働の跡であるからである。 》 55頁

 さらに「所有」論が進むが、いまいち理解が及ばない。今は読むだけ。

 昨夜、思いついてスピーカーの後ろに古い和箪笥の棚板を二枚ずつ立て掛けてみた。おお、音像が一層リアルに前景化。豊潤な音世界。素晴らしい反響板だ。参ったなあ。 またまた音楽に耽溺してしまうわ。
 荒れ模様の天気。反響板の位置を少しずつ変えて最適な場所を定める。JAZZやRAI(カミュ『ペスト』の舞台オラン発のポピュラー音楽)ほかをガンガン、聴く。 カ・イ・カ・ン。部屋籠り~。

 ネット、うろうろ。

《 アウトサイドの冒険 vol.23 志村けん 》 櫛野展正
  https://bookstand.webdoku.jp/melma_box/jyunpo/detail.php?sid=46&aid=1811

《 地図のない旅 (13) 200通の手紙-2 /白砂勝敏 》 SPINART
  https://www.spinart.jp/contents/kiji-shirasunakatsutoshi-200412.html

《 なるほど。安倍擁護botの総数は約25万か。知っておくといい数字だ。 》 DDC_violoncellista  https://twitter.com/DDC_violoncelli/status/1249271084223827969

《 きみんちで踊ってやろうか 》 Ellie Okamoto
  https://twitter.com/OkmtEli/status/1249241788927234048

《 リーダーのスピーチはかくあるべしです。メッセージは明確。「医療体制を守ろう。Stay at home」そしてナースたちの名前を一人一人挙げて感謝する気づか。 ボリス・ジョンソンは5分のスピーチ二回だけで全世界に「仕事できるやつだし、けっこういいやつ」という印象を残しました。 》 内田樹
  https://twitter.com/levinassien/status/1249472394265165829

《 補償なき終わりなき外出自粛ほど、生活格差が瞭然となる状態もないわけで、とりわけ政府からの補償が殆ど行き渡らない日本では、余裕ぶっこいたStay Home 生活の披露は、ガソリンスタンドで花火をやるようなもんだと予言しておく。 》 津原泰水=やすみ  https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1249474326673240064

《 安倍さん、トランプ大統領に持ちかけよう。「武器を買う話はなかったことにしてくれ」と。世界中が大変な時期なんだから案外受け入れてくれると思うぜ。 ましてや二人はドナルド、シンゾーと呼び合う仲の親友なんだろ? ほら、何兆円も浮いたじゃないか。それを一刻も早くこの国に住む人々に配ろうや。 》  立川談四楼
  https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1249180241345548291

《 『オリンピック延期の決定直後にコロナウィルス感染の確認件数が突然急増した日本のナゾ』

  ABC局ったら・・・そこまでハッキリ見出しにして言うかw 》 TrinityNYC
  https://twitter.com/TrinityNYC/status/1248949642169061377

《 「術着とガウンとマスクがもう足りません」というのを聞くたびに、中国の安い製品を輸入することで本来の国家安全保障はゆっくりと破綻していったんだな、と 今更ながらに気づく。食料自給が出来なかったことを嘆くまでに、そんなに時間はかからないかも。油断だった。 》 Hironobu SUZUKI  https://twitter.com/HironobuSUZUKI/status/1249387258915905539

《 最近知って、自分の無知さ加減に情けなくて死にそうになった話。この国はおれらが必死こいて納めている「年金」で世界の最凶軍需産業上位10社全ての株を 買っている。紛争・戦争で兵器が使われて人が死ねば死ぬほどこの国は儲かっている。 》 佐伯誠之助(後厄/痛風/痔)  https://twitter.com/saekiseinosuke/status/1249311988271828993

《 中立を保つっていうのは流され続けるってこと 》 majikick 植野 Ueno Takashi
  https://twitter.com/majikicker/status/1249224929783853056

《 猫 vs 犬 》 最多情報局
  https://twitter.com/tyomateee/status/1248936589952081921