『縄文論』六(閑人亭日録)

 安藤礼二『縄文論』作品社二○二二年一一月一○日第一刷発行、「縄文論」後半を読んだ。自らの知識不足(と偏見)を実感。特にアイヌの人々について。そして知識が一新される快感。

《 しかし、それでもなお、今日、文学(芸術)はあまりにも文学的(芸術的)に語られすぎ、科学(考古学)はあまりにも科学的(考古学的)に語られすぎている。それぞれ、自らの領域に自足しすぎているように思われる。(引用者・略)また、異種交配する必要はあるのであろうか。私は、異種交配は可能であり、また同時に必要であると考えている。なぜなら、両者の目指すところは一つに重なり合っているからだ。それを一言でまとめてしまえば、人間にとって「表現」がどのように生まれ、その表現がどのように展開してきたかを探ること、となる。原型としての人間、原型としての表現を探ること、となる。 》 160頁

《 狩猟採集社会の人々は、物理的な環境と精神的な環境が一つに融け合ったような世界を生きている。そうした世界が二つに、物質的な世界と精神的な世界に分断されてしまうのは、農耕社会以降なのである。自然のなかを生きる人間が、自然を支配するようになったのである。 》 181頁

《 「遊動」ではなく「定住」を選びながら、「農耕」を採用せず、「狩猟」を保持する。その結果として、「狩猟」(男性)と「採集」(女性)との間に階層と生業が分化されながらも安定した社会が築かれ、おそらくは、そこに「国家」が形成されることはない。アイヌの人々が選び、生きた社会は、そのようなものだった。 》 188頁

《 「未開」と「文明」、野生と文化(耕作)を対立させるのではなく、「文明」を準備しながらも「未開」のままにとどまることを選んだ社会、「定住」と「農耕」を切り離し、そのことによって「狩猟」と「採集」を切り離した始原の豊かな社会、「野生」の社会、それが、狩猟採集社会の極限にして限界に位置づけられるアイヌの社会であり縄文の社会であった。 》 193-194頁

《 絵画であるとともにエクリチュール、形象であるとともに理念、具象であるとともに抽象、それが「権力」以前、「文字」以前の芸術表現なのだ。 》 198頁

《 アイヌの人々が衣服に、鉢巻に、イクパスイ(神に酒を捧げるための木製の箆)に刻み込んだ文様は自由奔放のようでありながら、自分たちの出自、世界における自分たちの位置を神話的=物語的=宇宙的にあらわしたものであった。文様はただそれだけで、一つの神話=物語=宇宙を語っていたのである。 》 200頁

《 後期旧石器時代の狩人たちが残した洞窟絵画には、「具象」と「抽象」のみならず、両者の性質を兼ね備えた──人間の具体的な手を用いて象徴的なサインを表現する──「図像にして記号」までもが残されていたのである。 》 205頁

《 従来の世界史的な理解によれば、「土器」の発明によって旧石器の時代(狩猟採集社会)と新石器の時代(農耕社会)が区別された。土器の使用と農耕の開始が新石器革命を意味していた。縄文は、そのような区分を根底から無化してしまう。
  縄文時代の展開に従って、土器も異形化し、土偶も異形化する。土器の異形化と土偶の異形化は並行し、共振するものであった。 》 211頁

《 旧石器時代から狩猟採集という生活スタイル、物質的な環境と精神的(霊的)な環境が一つに重なり合う生活スタイルを引き継いだ縄文時代は、その完成期と終焉期に自らのもつ表現性の臨界にして装飾性の臨界に到達したのである。それは人類史的に考えて、芸術表現の一つの到達点ということも可能であろう。 》 212頁

《 ラスコーの壁画は、縄文の土器は、自然にひらかれた原型的な人間たちが執り行う原型的な「祝祭」の表現であった。 》 213頁

 ネット、うろうろ。

《 昨日の続きだけど、これ便利過ぎる衝撃でメガネ粉々に砕け散った 》 オクシン
https://twitter.com/OKU_MAYA/status/1596247383322415104

《 なぜNHKが直接FIFAと契約しないのか?>
  我々の受信料であるぞ。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1596891904800485377

《 秋葉大臣
  「私の次男が、私の選挙を心配して私の力になりたいと考えて行動した(タスキをかけた)」

  立憲、大西議員
  「公選法違反を認めるということでよろしいか?」

  秋葉大臣
  「一切認めません、選管や警察から特に指摘はなかったと聞いている」

  ヤジ「え~」

  #国会中継 》 125
https://twitter.com/siroiwannko1/status/1596892054776590336