『激しい生』四(閑人亭日録)

 トリスタン・ガルシア『激しい生──近代の強迫観念』人文書院二〇二一年九月三〇日 初版第一刷発行、「7 反対の観念──倫理的な鋏に挟まれて」を読んだ。

《 思考は私たちに、感覚的な生の諸価値──変異や進化、より一般的には強さ=激しさ──が反転する世界を与えるのです。 》 146頁

《 強さ=激しさに送り届けられる近代の精神にとって、英知が取り消しによる終焉として現れたとすれば、救済は変容によって生の変異する強さ=激しさの超克を描き出します。 》 150頁

《 救済されるとは何でしょうか? それは最も本当の意味で私があるところのものに最終的になることです。私は永遠にそれであり、完全にそれであるのです。純粋にして単純に救済者──信仰者にとっては神であり、世界の王にして創造者である存在──の下で。 》 151頁

《 まず最初に、生の力に忠実な倫理の新しい形式に与えた強さ=激しさの約束は、思考による生の取り消し、ないしは変容という古い約束を覆い隠しました。その後で、ルーチーンの効果に従属した強さ=激しさの約束の宿命的な消尽が、再び、英知と救済という古い観念に自由な場所を与えることになったのです。 》 154頁

《 ふたつのケースで失われるものは強さ=激しさそれ自体なのです。つまり、感じるという私たちの感覚が失われるのです。
  私たちの選択が何であれ、私たちには生の強さ=激しさを思考によって保存するための持続可能な手段は残されていないようなのです。擁護しようが攻撃しようが強さ=激しさは維持されないのです。それは全存在を通じて保持されることができず、全社会を保持することができないのです。 》 157頁

 朝七時、自転車で倉庫へ行き、白砂勝敏さんの木彫椅子『ナゴメイテ』を磨く。床を拭く。汗~。
 https://shirasuna-k.com/gallery-2/wood-sculptures-chair/
 猛暑日の午後、白砂さんの車に同乗、倉庫へ。車に椅子を運び入れる。静岡グランシップで展示予定。
 https://www.granship.or.jp/visitors/event/detail.php?id=3034
 それから白砂さんの出身の長泉町の文化センター・ベルフォーレへグランシップのチラシを持っていく。受付の女性は、やはり白砂さんをご存じなかった。驚かれている。
 https://nagaizumi-culture-c.jp/