『言語の本質』二(閑人亭日録)

 今井なつみ・秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書2023年6月20日3版、「第3章 オノマトペは言語か」「第4章 子どもの言語習得1──オノマトペ篇」を読んだ。
 「第5章 言語の進化」を読んだ。

《 先ほどの手話の進化の過程で述べたように、言語は進化の過程でアナログな表現からデジタルな記号的表現にシフトしていく。 》 144頁

《 しかし、ことばが多義になる原因はほかにもある。想像によって意味を派生させようとする志向性である。この志向性によって、ヒトは、決まりきった使い方にとどまっていられず、つねに隠喩・換喩によって意味を発展させ、新しい意味を創り出そうとする。 》 146頁

《 興味深いことに、レベル4の論理的関係のオノマトペを持つ言語はこれまでにまったく見つかっていない。 》 152頁

《 観察した出来事や対象をそのまま写し取ったような表現(種ジェスチャー)から始まったものが、集団の中でのコミュニケーションを経由し、次世代に伝承されていくと、デジタル化され、体系化されていく。それが人間の言語の特徴と言えるだろう。 》 155頁

《 つまり人が感じる類似性は、見た目が似ている、内部構造や関係が似ているなどのいわゆる規範的な類似性だけではないのである。(引用者・略)このような文化や言語によって作られた「類似性」は、音と意味の間の類似性(アイコン性)の感じ方にも影響を与える。 》 165頁

 なかなか興味深い論述。このような分析を絵画表現の変遷に援用できそうな気がする。うまくいけば、斬新な視点を得るかもしれない。

 グラウンドワーク三島の専務理事渡辺豊博の発言『神の山に「し尿垂れ流し」。縦割り行政、その場しのぎ…”富士山が壊れていく”原因は日本の問題と一緒』が朝、ヤフー・トップ面に転載された。へえ。フライデーの元記事。
 https://friday.kodansha.co.jp/article/330510
 注目記事、ということか。確かに。