發行兼編輯村山旬吾『和漢名畫選』發行所 國華社 明治四一(1908)年七月五日發行が届く。一昨日届いた『圓山四條畫鑒(画鑑)』國華社よりも重いんじゃないかな。下手をすると腰を痛めるわ。昼前の光を障子で緩め、一頁ずつゆっくり開いて鑑賞。うーん、面白い。古典絵画、特に江戸時代の絵画は面白い。面白いと感じるようになったのは、今世紀になってからだろう。それまではどこが魅力なのかわらなかった。小原古邨の木版画に出合った頃(二十世紀末)から見方が変わったようだ。四半世紀が過ぎた今、小原古邨の木版画の魅力は、江戸絵画、それも圓山応挙の流れの写実的な絵画を手本に、モダン(近代的)なセンスを加味している、と思う。正統的、高踏的ではなく、肩の力がすっと抜けている、馴染みやすい作風。小原古邨の木版画と圓山応挙らの絵画を並置、見較べるのも興味深い。そう、私は小原古邨の木版画に出合って初めて、古典絵画へ関心が向いた。
『圓山四條畫鑒(画鑑)』國華社も村山旬吾の編集だが、彼はどんな役職だったのだろうと調べてみたら、制作部門の版下画工だった。それ以上は不明。
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これで國華社から出版された美術雑誌『國華』および豪華美術本で入手したい本は、すべて揃った。審美書院の豪華美術本は、入手済み。國華社と審美書院の多色摺り木版画の並置、比較がやっとできる。これは来年の愉しみ。古本の蒐集は一区切りがついた。その先の夢はこれらの複製木版画とオリジナル(原作)作品との並置展示。複製木版画制作から百年以上が過ぎた現在のオリジナル(原作)を見ると、劣化が進んでいるのがはっきりわかる作品もある。また、修復していることがわかる作品もある。