「凄い美術作品とは」(閑人亭日録)

 「凄い美術作品とは」という問いが、ふと布団の中でまったりしていて浮かんだ。布団にもぐって考えていても何も浮かばないので布団からであた。まあ、下手な考え、休むに似たり、というけど、起きているほうがまだましだろう。魂を震撼させる作品。心を慰撫する作品。魂を救済する作品。心を別世界へ誘拐してしまう作品。いろいろな言い方はあるが、もっと需要なことは、その作品が世代、時代を超えて新鮮な魅力、影響力を保持しているか、という品格なのかもしれない。そんな言い方も何だかなあ、だが。そんなことが浮かんだのは、昨日まで向かい合っていた明治後半の多色摺木版画のせいだろう。オリジナル作品ではなく、その精緻な複製木版画に魅せられたことからの発想だろう。オリジナル作品よりも精緻極まりない複製木版画により惹かれる理由の一つに、美術館でガラス越しに対面することと、机上に置いて木版画に対面することの身近感もあるだろう。複製木版画には、彫師摺師のオリジナル作品への敬意と称賛があるせいだろう。そんなわかったようなこと書いたのには、同時代の文藝倶楽部などの口絵木版画を見ているから。格が違う。不遜な感想かもしれない。

 『Bembeya Jazz National Volume 1_ Sou』をYOU TUBEで視聴。CDでよく聴いていた。
 https://www.youtube.com/watch?v=D6iIvoh1_bI
 最近の日本の歌には哀愁がないな、とファドの女王、故アマリア・ロドリゲスを聴いてつくづく思う。
 『Amália Rodrigues Fado Português』
 https://www.youtube.com/watch?v=1YriVM8sC7M
 『Fado português』
 https://www.youtube.com/watch?v=vE-q33C0vP4