『記憶と芸術』七(閑人亭日録)

 高遠弘美「「引用的人間」の記憶について」から。

《 言い古された言葉のようだが、「美しい」という要素は詩文を暗記するうえで最終的にして決定的な要素であるような気がする。 》 268頁

《 あまたの藝術作品をただ死蔵せるがごとくしまっておくのではなく、ここぞというときに目の前に出してくる。 》 274頁

《 まさに、中野(宏昭)の批判する「集めるだけで真剣に聴く機会を持たなくなるコレクター」に堕するところだった。 》 283頁

《 記憶の内に取り込み、それを安易に「再生」するのではなくて、自らの人生の「経験」として生の時間と結びつけること。 》 285頁