台風の影響(閑人亭日録)

 三島駅南口、三島市立公園楽寿園小浜池の水位。
  10日 15センチ
  11日 13センチ
  12日 38センチ
  13日 62センチ
  14日 55センチ
  http://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/kohamaike_current.html
 台風の大雨の影響かな。でも、こんなに早く影響が出ることは、従来の常識では考えられない。なんだろう。13日朝、ゴミ拾いで川に入った。 水流の勢いが強くて何度か転びそうになったのはこのせいか。

 ネット、うろうろ。

《 展示作業を終えて準備万端整った黒部市美術館『コンクリート組曲』でしたが、なんとオープニング当日に最強台風19号襲来! 来館者の安全を優先して開会式及びトーク会の中止を決断。関連行事全面中止と開館時間短縮の緊急情報をSNSで流し「無理して来館しないでください」 という消極的姿勢にて記念すべき展覧会初日を迎えました。 / 嵐を呼ぶKUROBE GOLD 》 窓外の黒化粧
  http://kazamasachiko.com/?p=8622

《 台風19号による豪雨で甚大な被害が出ています。今回の災害で亡くなった人は58人となり、堤防の決壊は 37河川の52か所に上っています。 しかし、今の時点では詳しい状況が確認できていない地域もあり、被害の全容はまだ分かっていません。 》 NHKニュース
  https://twitter.com/nhk_news/status/1183877035078377472

《 長岡の信濃川河川敷。水が引いた後、MAX水位の跡に、誰かが丁寧に並べたようにずーっとペットボトルなどのゴミが目印のように続いてる。ずーっと。 こんなにペットボトルのゴミがあるなんて。海も汚れるわけだ。 》 大川 史生
  https://twitter.com/fokawage/status/1183584325150732290

《  安倍晋三、ツイートの時系列を
  改竄してるぞ!

  以前はW杯ラグビーに関する
  ツイートの前には災害対策関連の
  ツイートはなかったはずだ!

  おい!卑怯者!

  そこまでしてアリバイを作りたいのか!

  誰だ!改竄に関与している輩は! 》 T.shira
  https://twitter.com/T_shira_2828/status/1183749412142534657

《  安倍晋三
  「ラグビーで励まされる被災者」
  と言うが、それは
  ・家を直し
  ・食事が出来て
  ・電気が戻り
  ・親類、友人、家族の行方が判り
  ・テレビを見る余裕が出来る
  ように国がする。

  という事ですね?

  まさか   「避難所にテレビ有るよね。楽しんで下さいよ」
  ですか?馬鹿ですか? 》 北風くるみ(30Aから20Aへ)
  https://twitter.com/kitakazekurumi/status/1183547017391267840

台風その後(閑人亭日録)

 戦前の外国人の歌を聴いていてふと思い出し、歌手のKAZAMIをネット検索。十年以上前に引退しているようだ。ブックオフ三島徳倉店の店内放送で耳にして、 ドッキン。KAZAMIという歌手の『Only truth~夢じゃないキス』と知り、CDを購入。どういう経緯か忘れたが、渋谷道玄坂ライヴハウスclub asia(エイジア) での無料コンサートに行った。周囲は若い子ばかり。私は業界人と見られたみたい。彼女が数曲歌って終了。ま、それだけで充分満足。ネオンまばゆい坂道を下った。
  https://www.youtube.com/watch?v=UaeLC164rWU
  https://ja.wikipedia.org/wiki/Kazami
  http://www.sonymusic.co.jp/artist/Kazami/

 今にして思えば一瞬の風だった。

 秋霖東京新聞が昨日と今日の二日分届く。昨日の一面見出しはゴシック体で「7都県 初の特別警報」。今日の見出しは黒地白抜きで「台風 27人死亡、20人不明」。 すごい爪痕だ。おいおい、政府は何をしている。
 いくつかの図書館、美術館の地下の収蔵庫が水没。収蔵品は大丈夫だろうか。その後の記事はない。昨日味戸ケイコさんたちの絵を収蔵庫で確認。無事。
《  川崎市市民ミュージアムの地下水没問題。
  貴重な美術品・民俗資料が保存されている収蔵庫は大丈夫なんだろうか? 》 玉川弱系
  https://twitter.com/150tamagawa/status/1183345384396972035
《  東京都市大学(世田谷キャンパス)の図書館、地下1階が水没…。ドライエリアから光が入るようにしたのが裏目に。しかしエライことだ。
  「地下1階はメディアライブラリーと集密書庫ですが、外周にドライエリアを設けることで明るく開放的な空間が実現」→ 》 Kontan_Bigcat
  https://twitter.com/Kontan_Bigcat/status/1183171002689187840

 ネット、うろうろ。

《 被災者のために政府が何をするかについては何も語らない安倍首相。台風災害を他人事のように語るこのツイートは一体なに? ラグビー日本代表にならって、 まず自分の全力を尽くしなさいよ。 》 石川康
  https://twitter.com/walumono0328/status/1183375212244422657

《 台風が去ってからの対策本部。これだけの大災害が起こることは想定出来た。それを「まずまずに収まった」?マスコミもマスコミで阪神大震災の時も、 東日本大震災の時も、時の首相や政府の対応を一斉に非難したはず。なのに過去の災害で1番不手際だったの現政権になぜ怒らない 》 渡部 深雪
  https://twitter.com/mipom11/status/1183337660988833792

《 雨量が記録的であることは間違いないし、繰り返すが注意喚起それ自体は重要だ。しかし災害経験を共同化し物語化するためのレトリックが優先され、 細かい避難対象区域や利用可能な避難場所の情報、汚水に触れた場合の対処法などの情報が相対的に少なくなるとすれば、それだけでも問題があると言える。 》  仲山ひふみ
  https://twitter.com/sensualempire/status/1183270358985560064

《 NHKでは「首都圏の鉄道は始発からほぼ平常通りの運転をしています」などと言っているが、こういういい加減な報道は本当にやめてもらいたい。 》 原武史
  https://twitter.com/haratetchan/status/1183510208066113536

《 モノを選ぶときは、直感的にシビれるかどうかが最終的に重要だと思う。諸条件を満たしていても、心揺さぶられなければ、買うべきではない。 》 千葉雅也
  https://twitter.com/masayachiba/status/1183066611248328704

《 複雑で良いものはずっと見ていたくなる。無限性がある。人工物でそれができていると「作品」になる。それは自然物に似ている。自然の木目や結晶の複雑さ、 秩序とランダムネス。第二の自然としての芸術。だが、それがイヤだ、ペラペラの人工物で身を護りたい、というのもある。記号で身を護る。 》 千葉雅也
  https://twitter.com/masayachiba/status/1183196356967485440

《 ところでシンプルで良いもの、というのがあるが、あれはある種の複雑さであるはず。ただシンプルでダメなもの、というのもある。 》 千葉雅也
  https://twitter.com/masayachiba/status/1183193195447869440

《 台風ですら一家を持っているというのに、孤独な俺たちは、、、 》 こふにゃん
  https://twitter.com/kofumyon/status/1183213590481756161

台風一過 (閑人亭日録)

 昨晩七時過ぎ、風が止んで台風の目に入ったかな?と夜空を見上げていたら携帯電話に緊急メール。

《 河川氾濫のおそれ  警戒レベル4相当  国土交通省 》

《 びっくりしました。19:44、スマホ狩野川氾濫の警報がなりました。本当にみなさん、無事でいてほしい。 》 Koichi Kawakami
  https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1182970813969944578

 昨晩八時過ぎ再び強風に。

 昨日の東京新聞、特集「日本アニメ 愛される理由」に湯山邦彦(「ポケモン」監督)、スタンザーニ詩文奈(漫画翻訳家)、辻真先(作家・脚本家)の三人が寄稿。 辻真先の寄稿から。

《 日本のアニメの牙城はかなりほかの国に侵食されてきたと感じます。低賃金、長時間労働のアニメ業界の体質改善、人材育成が必要ですが、国が音頭を取るのは 駄目です。金を出せば口も出しますから。 》

 K美術館は全部自前の資金でまかなった。その理由は、援助してもらえば必ず口を挟まれるから。よってあいちトリエンナーレの騒動を見ると、あ~あ。

 朝、雲ひとつない秋天に冨士山全景。東京新聞は届かず、代わりに読売新聞と東京新聞の日曜版。読売新聞は即新聞収納箱へ。日曜版連載コラム「大使たちがみた ニッポン!」はネパールのプラティヴァ・ラナ大使。品川駅のラッシュ時の混雑を見て。

《 どんなに混雑がひどい時も、人々が秩序や規律をもって歩いているのに驚かされる。規律を守り、また周囲に配慮ができる、これも豊かさの表れだと思う。 》

 昨日引用紹介した加藤郁乎『エトセトラ』を連想。

《 この国の住人たちの世界市民性への早身で捨身の順応性にも舌を巻く 》

 源兵衛川中流部、かわせみ橋周辺の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなって終了。帰宅。シャワー。

 ネット、うろうろ。

《 箱根登山電車の線路は崩壊しています 》 たしろかずや
  https://twitter.com/kazuhaya1222/status/1183173102324207616

《 台風19号によって、日本には総理大臣がいないという事が明らかになりつつある。 》 吉村萬壱
  https://twitter.com/yoshimuramanman/status/1183052065037115392

《 学歴や学問へのコンプレックスから大学の研究や学者らを憎悪し、軍事研究以外は補助金を削る一方の恥ずかしいこの国の総理が、 ノーベル賞受賞者をさも自分の功績のように利用する。日本人のノーベル賞受賞は自分の功績だと言わんばかりの彼の振る舞いに嫌悪感を感じる。 赤面するほど恥ずかしい。 》 澤田愛子
  https://twitter.com/aiko33151709/status/1182601229416857600

《 (この国のトップは無能なんかじゃない。この国を壊すこと、独裁をすすめることに極めて有能である。) 》 Tomoko TAGAWA
  https://twitter.com/69Rock54/status/1183174306529808385

《 さすがに風の音が生々しいなぁと思ったら、窓が開いていた…。 》 古書現世
  https://twitter.com/wamezo/status/1182984871137775616

《  台風だしな…と心配していた近所にいる野良猫
  家に入れてやったら5分でこれ 》 サガミ
  https://twitter.com/sagoishi/status/1182819832388972544

台風19号 (閑人亭日録)

 昨日は十数人とバスで新東名を走り静岡市へ。雨は殆ど降らず傘いらず。帰りも上りは順調だったが、新東名の下り線は、東名高速下り線の清水と富士の間が高波で 通行止めの影響で沼津インターまでノロノロ運転。沼津インターへの進入路は車がぎっしり。10日の日録に出てくる加藤郁乎の小説『エトセトラ』薔薇十字社1973年初版 の一場面を思い出す。日が暮れて語り手と彼女は人語を話す老馬サダキチに乗って家路をたどる。

《  まずは旧街道の九十九折、と言いたいところだが、昔の地霊たちに失礼して交通量も減ったに違いない高速道路を選ぶこととする。
  ゲートでは、いまのところ規制に馬の料金はありませんよと首をかしげるが、まだまだ信仰心のかすんでいない中年とみえて、牛に曳かれてゼンコー寺詣りの例も ありますから、まあ、それに八百長レースのようでもなし無料で結構と、早くもわれらが守護霊の霊験あらたかにして幸先のよい出発がはじまった。ベルグソンのやや 古めかしくなった観察の応用編ではないが、気ぜわしく飛ばしてゆき交う車の流れは、見れば見るほど見較べる笑いを振り撒いてゆく。手垢だらけなゼノンの逆説をまつ までもなく、走者アキレスに変る四輪車は、亀ならぬ老馬の四ツ足を遂に追い越すことができないと信じることにしよう。ハイ・ウェイの将来には、馬の背に揺られて ローマだかソドムだかへ至るペリパトス調の間道のひとつくらい設けられてもいい。 》 123-124頁

《  振り返って打ち眺めると、はるかハネダやオーモリと覚しきあたりも南宋画めく墨染めのかたえにミニチュアとかすみ、なんと疑うことやある、われら一行の うしろを数珠つなぎに一列縦隊となった車のつらなりが見渡せた。それにしても警笛ひとつ咳ばらいひとつ立てずに、メッカへの巡礼さながらに粛々と、かつ股旅もどき でつづいてくるとは、この国の住人たちの世界市民性への早身で捨身の順応性にも舌を巻く。
  「どうです、馬には乗ってみよ、人には添ってみよ、でございましょう、ワッハッハ」 》 124-125頁

 三島駅で下車。新幹線の券売機には行列。伊豆箱根鉄道駿豆線へ。車内放送で明日(12日)は終日運休。あらまあ。
 夕方近くのスーパーへ行くと、水のペットボトル、菓子パンの棚がまあ、見事に空っぽ。こんなの初めて。
 夜更けから雨が激しくなる。ウィスキー「富士山麓」の水割りを少々嗜む。

 朝から風雨。
 午前十時暴風雨に。
 午後さらに強くなる。商店は見えるかぎりすべて閉店。遠くに見えたイトーヨーカドーの看板が雨にけぶり殆ど見えない。誰も通らない。

  たった一人の長距離ランナー過ぎしのみ雨の土曜日何事もなし   寺山修司                         

 電車もバスも終日運休。救急車過ぎしのみ。

 ネット、うろうろ。

《  まさか完全にネタだった台風コロッケが世間に定着するとは。しかも実用的なものとして。

  コロッケが大売れ 電気もガスも使わぬ“台風対策” 》 まとめ管理人
  https://twitter.com/1059kanri/status/1182863621174333441

《  オレァ営業する!!
  と出勤しましたが、道中傘が壊れ全身びちょびちょになり、店内にいるだけで水害を起こす、ムレムレハゲおじさん玉ノ裏状態、なので帰ります。

  12日土曜日。古書往来座は臨時休業しております。 》 古書 往来座
  https://twitter.com/OURAIZA/status/1182884584439967744

《  なんか上陸前から大騒ぎだな
  まるでゴジラでも来るみたい 》

《  非難韓国出たわ
  ↑気象庁もすごいこと言うようになったな 》

《 三島市の大溝川、松毛川 小公園、遊歩道など計画 県営用水環境整備 》 伊豆新聞
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191011-00000002-izu-l22

《 「上京するきっかけをくれた木葉井悦子さんの「私は、人生は幼児の頃記憶に染み込ませた記憶を繰り返し繰り返し螺旋を描いてふくらませていくようなものだと 思っている」という言葉は、僕にとって、すごく大切なものです。」やべ・みつのり 》 中島 智
  https://twitter.com/nakashima001/status/1182606331561168896

《 木葉井悦子さんの絵本も好きだが、原画はさらに好きだ。印刷を前提にした描画ゆえに、原画は画用紙が破れ、その繊維が毛羽立ち、あちこちにシミができ、 それを気ににも留めない木葉井さんのストロークが被さる。基本的に「私が見えればよい」という、「見せよう」としない不親切さにも打たれる。 》 中島 智
  https://twitter.com/nakashima001/status/1182618724961927169

《 繰り返し述べているが、「見せよう」とした絵は、「見たい」鑑賞者たちには「見させられる」屈辱をもたらすだけでなく、一瞥しただけで「見えたつもり」 にもさせてしまう。そんな恣意的な、鑑賞者の自己投影でしかない「つもり」に滞留させないのが、「見たい」がために描かれた絵。 》 中島 智
  https://twitter.com/nakashima001/status/1182632355313278976

 昭和の末、種村季弘氏から案内状が届き、銀座の画廊春秋へ木葉井悦子展を見に行った。画廊にいた、絵も初めて見る初対面の画家に病いから恢復していく絵という 印象を述べたら大いに気に入られた。我が家へも来訪。吉祥寺のトムズボックスの壁面展示の時には具合が悪そうだった。いくばくもなく逝去。合掌。
  http://web.thn.jp/kbi/kibai.htm
  http://web.thn.jp/kbi/kibaib.htm
  https://k-bijutukan.hatenablog.com/entries/2014/10/25

《 掘って掘って~♪。で、ホントに掘るためにはネットなんて、ぜんぜん浅いとこまでしか行けないよ。図書館行って紙媒体のバックナンバー漁って~。 そんでもってやっぱり美術の本丸、現実の展示空間にも足繁く通って~。気がつけば君は現代美術ハカセ。もちろん批判的スタンスのままでいいよ♪ 》 会田誠
  https://twitter.com/makotoaida/status/1182290020792537089

《 過去最高の業績の会社多数、経常黒字も真っ黒の日本で稼ぐ会社がないと言ったらどこの国にあるのだろうか。笑 基日本に足りないのは儲かって 社員や未来に投資する会社よ。笑/日本は終わらないが、ファーストリテイリングが終わりそうなことは分かった。 》 木下斉
  https://twitter.com/shoutengai/status/1182432606849093634

《  どっかの番組でも言うてくれとったけど

  日本はなにかにつけ「災害大国」と豪語しているのに

  「政府の対応は、毎回初心者のようだ」

  ほんとその通りだよね

  仮設避難所も、近代国家とはまるで思えない

  武器には総理大臣が勝手に、何兆円も予算つけてくる国なのに、国民はいつも見殺され続けてる 》 うめももさくら
  https://twitter.com/umemomosakura0/status/1182209030090969088

《 日本人がノーベル賞受賞するのを見て「日本の科学技術はまだ大丈夫だ!」と言うの、夜空に輝く星を見て「これらの星は全て今存在している!」というようなもの だよな 》 みすま
  https://twitter.com/msmt9/status/1182313004760567808

《 たしかにこれはパイプではない。★ 》 巖谷國士
  https://twitter.com/papi188920/status/1182811101571891201

七年 (閑人亭日録)

 朝、『歳月の鉛』のいくつかの誤字を訂正。一晩経つと見えてくる打ち間違い。
 昨日引用した四方田犬彦の”七年間”に感応。先月十八日、青梅市立美術館の往復で挨拶を交わした福島泰樹氏の歌集『夕暮』砂子屋書房1981年を開く。

《    一九七◯年晩秋十一月より七七年藍月六月まで
     愛鷹山麓柳沢にて日々を送る

   はてしなき寂寥きたれ愛鷹(あしたか)の 霧もうもうと男立てれば  》 114頁

《    そして七年、塚本邦雄が「オレンヂ・バンタム」
     と命名した矮鶏を残して……

   十年の歳月とぞやなにをした酒甕ならば酒浸(びた)しなる  》 144-145頁

《 さて、外は夕暮である。往くものはみないってしまったという思いはいまもつよい。八◯年代へ、私はもうなにも言わない。六◯年代が直喩の時代であるならば、 七◯年代は暗喩の時代であった。 》 161頁

 1990年、詩人の早坂類(青木景子)さんから新しく出す同人誌への寄稿を依頼された。送った原稿は『詩歌句への恣意的七巡り』。その冒頭。

《 はじまりは二十年前の白石かずこ「聖なる淫者の季節」だった。その詩の第七章冒頭一行だ。
   七年はたち七年はめぐる
  その呪文は、あたかも啓示の言葉のように、難関難局打開への鍵言葉の如くに閃いた。あれから三度目の七年が過ぎようとしている。この間にいくつかの七に 巡り合った。花田清輝「七」、筒井康隆「七瀬ふたたび」、田久保英夫「蕾をめぐる七つの短編」、佐野洋「七色の密室」、泡坂妻夫「ダイヤル7をまわす時」、 瀧口修造「骰子の7の目」等々。この永年の呪文から解放されたのは、数年前の正月七草粥を食べた頃だった。 》

 そういえば、大学入学から七×七、四九年。

 ネット、うろうろ。

《 時代に合わないのは、未だ大日本帝国の妄執に囚われた安倍首相や自民党の面々。過去に眠れ。 》 Hideyuki Hirakawa
  https://twitter.com/hirakawah/status/1182142691817058304

《 アートの(スキャンダルの)歴史をみて、爽快なのは、ある作品やアーチストを罵倒した人たちは忘却の彼方に(ゴミのように)消えていって、 時間に洗われた作品だけが、巌のように残り、より輝きを増していくことだ。芸術の、絶対的な力はおそろしい。 》 布施英利(ふせ ひでと)
  https://twitter.com/fusehideto/status/1181870679940947968

《 マネの例で言うと、その罵倒にマネは相当参っていたらしいのだが、ひとりボードレールだけが未来を見抜いて「マネは、状況が良くなっているのに、 なぜそれに気づかないのだろう」と言ったという。ボードレールは、いったい何を見抜いていたのか、その眼差しの力が気になる。・・何を見抜いた、のか? 》  布施英利(ふせ ひでと)
  https://twitter.com/fusehideto/status/1182093933444136961

《  アートは古いカルチャーに今、何が起きようとしてるか教えてくれるもっとも重要な機器発見装置
  ーマーシャル・マクルーハン 》 Nobi Hayashi 林信行
  https://twitter.com/nobi/status/1182180447368822784

《 アートの役割 水戸芸術館現代美術センター 逢坂恵理子さん、森山純子さんに聞く 》 百聞は一見をしのぐ!?
  http://www.ableart.org/org/handbook/2-1.html

《  以下の二点をルール化してほしい。

  (1)「誤解を招いた」「真意が伝わらなかった」と謝罪する時は本来どのように理解されるべきだったのか、そのためにはどのような表現が適切だったのか、 なぜ当初は当該の表現が適切であると判断したのか、という説明を併記すること。 》 rmsi_isng
  https://twitter.com/rmsi_isng/status/1182015416001937408

《 気象兵器が本当にあるなら台風を蹴散らしても良いはずだよな。 》 下流人生 、風俗日記
  https://twitter.com/karyujinsei/status/1182240556329533440

『歳月の鉛』四(閑人亭日録)

 
 四方田犬彦『歳月の鉛』工作舎2009年初版を読み進める。

《 森有正の死。(中略)彼の真摯な姿。その愚鈍なまでの拘泥。やはり私と同じ喘息の人であったかという思い。だが違和感は残る。わが身に降りかかる事件の裏側に、 つねに何かの感動や美が控えていなければならないという彼の執念。そこに抽象的なるものへの上昇の契機を読み取ろうとしてしまう不幸な精神。なぜあるがままで あっていけないのか。なぜ無為であってはいけないのか。 》 「第9章 ノオト 1976-1978」 262頁

《 藤枝静男『田紳有楽』。すごい作品だ。真贋の混合とグロテスクな変身。最後に登場人物の全員が一同に会し、チベット風の饗宴となる。時空がどこかで歪んで しまった傑作。 》 「第9章 ノオト 1976-1978」 264頁

《 ドノソ『夜のみだらな鳥』。三日がかりで読み終わる。二つの抑圧空間、修道院とボーイの天国。語り手は次々と変身する。最後に全身を包帯で巻かれ、九穴を 封じられ、包そのものと化して冥府へ回帰する。 》「第9章 ノオト 1976-1978」 275頁

  生真面目な森有正。経験を改めて考えたい、と思って幾歳月。『田紳有楽』には破天荒な!。『夜のみだらな鳥』にはこんな想像力が!。再読しようと思って幾歳月。

《 K.T.が昨月、高井戸の、マンションから投身自殺をしていたことを知らされる。 》 「第9章 ノオト 1976-1978」 282頁

 一瞬めまいがした。私は投身自殺は考えなかった。もっと安らかな死。でも誰も悲しんでくれないと自覚し、やめた。

《 だが少しでも油断をすると、たちまち作者の仕掛けた罠にかかって、奇怪な韜晦術に操られてしまうのだった。このことを示すためには、冒頭の一頁を拡げるだけで 充分である。そこでガリヴァーはみずからの出自と経歴とを簡潔に語っている。そのなかに、「自分はロンドンのベイツ先生のもとで学んだ」という一行がある。これは 原文ではMaster Batesであり、当然のことながらmasturbateとほとんど同じ発音になる。したがって読み方によれば、「ロンドンではオナニーばかりしていた」という 意味になってしまう。二◯世紀に過激な言語実験を重ねたジョイスは、同じダブリンに生きたスウィフトにしばしば言及しているが、彼らは言葉に真の意味で隣人なので ある。 》 「第10章 空想旅行の探求」 315-316頁

《 わたしは論文に「ジョナサン・ソフィスト」という題名をつけた。プラトンに先立って虚言を弄し、言語の表層に遊んだ哲学者たちの名前をスウィフトに引っ掛けて みたわけである。 》「第10章 空想旅行の探求」 317頁

《 わたしは探求の途上で当初に手にしていた方法を改訂し、また他の方法論と接続して新しい理論を手作りで拵えなければならなかった。これはいい方を変えてみる ならば、純粋状態におかれた抽象的理論など文学研究においてはほとんど意味をなさないという真理を、思い知らされたともいえる。 》 「第10章 空想旅行の探求」  318-319頁

《 ある芸術的テクストをそれに限定して、あたかも展翅板に止められた蝶のように分析するのではなく、それが帰属している集合、あるいはジャンルの現象として 理解するという姿勢である。これは文学ジャンル自体を一つの巨大な作品体と見なすことをわたしに可能にした。 》 「第10章 空想旅行の探求」 319頁

《 スウィフトの内実に踏み込んだ質問を期待していたわたしはいささか拍子抜けした。ただ一人、阿部良雄教授が最後に題名の意味を説明するようにとわたしに尋ねた。 「加藤郁乎の詩にあった言葉です」とわたしが答えると、かれはわが意を得たりといった表情を見せた。『荒れるや』を書いた詩人は、彼の旧い友人であったからである。  》「第10章 空想旅行の探求」 320頁

《 自分のスウィフト論に欠落しているものが何であるかを明確に指摘されたような印象をもった。それは一言でいうならば、あらゆる言説を永遠の相の下に論じる のではなく、それが発語された瞬間のアクチュアリティに基づいて捉え、その意味を問い質すという姿勢であった。 》 「第10章 空想旅行の探求」 324頁

《 七年間にわたって続いた学生生活は、もうこれで幕を閉じた。 》 「第10章 空想旅行の探求」 329頁

 読了。深い充実感。七年・・・明日の記事だな。

 朝、源兵衛川中流、水の苑緑地から下流ヒメツルソバを抜く。土のう袋七分目ほど。帰宅。シャワー。コーヒー。スッキリ。

 ネット、いろいろ。

《 万が一を考え、停電になった場合のことを考える。レンジが使えなくてもカセットコンロがあるからOKとして、水を溜めておいて、IT機器は充電して…と ここまで来て気がついた。ノートじゃないんだから、Macが死ぬじゃん仕事できないじゃん! 今日明日でやっちゃわないと! コンロとかどうでもいいし! 》  大矢博子
  https://twitter.com/ohyeah1101/status/1182127445131976704

《 江戸しぐさは「諸説ある」どころか、江戸時代の史料に一切記載が見当たらないことを説明する為に、"明治維新の際に「江戸っ子大虐殺」が行われて関連書物も 焼かれた。江戸っ子大虐殺は歴史上隠蔽され古老が口伝で伝えた。"と主宰者が著書で述べてるような、明らかなインチキ創作マナーなんですけどね。  》  虎次(とらつぐ)
  https://twitter.com/tora_2com/status/1182102452188803074

《  有識者委員会「何も聞いてない」
  文化庁「記録はない」
  萩生田「指示してない」

  すごいなおい。幽霊が不交付を決定したのかよ。

  萩生田氏「私は指示してない」 文化庁補助金不交付で:朝日新聞デジタル 》 森修一
  https://twitter.com/ChemPack/status/1181492402462191617

《  赤旗日曜版のスクープ!
  「桜を見る会」に、首相の地元事務所が後援会員らを数百人規模で招待していた。「税金でおもてなし」とはどういうことか。政府は「資料破棄で招待者は不明」 というが、「モリカケ」と同じ弁明は疑惑をいっそう深刻にするだけだ。国民に真実を説明するべきだ。 》 志位和夫
  https://twitter.com/shiikazuo/status/1182102368013283329

《 宗教学者と考える「なぜ日本はこれほど“弱者叩きの国”になったのか」島薗進 》 週刊女PRIME
  https://www.jprime.jp/articles/amp/15508

《 このおかげで、10月の景気が全国的に悪化したのは「台風のせい」にできるわけで 》

《  この気象兵器
  ラグビー人気に嫉妬したサッカーファンがやってるって噂だけどほんとかな? 》

『歳月の鉛』三(閑人亭日録)

 四方田犬彦『歳月の鉛』工作舎2009年初版を読み進める。

《 わたしがこの秘教的なゼミの末席を汚すことになったのには、二つの原因があった。一つは大学に入る直前のことであったが、『パイデイア』という雑誌に 南原さんが発表したヤコブ・べーメ論に、魂を慄けさせられるような衝撃を受けたことにある。 》 「第7章 駒場に戻る」 206-207頁

 『パイデイア』竹内書店10号(1971年)、11号(1972年)に南原實「ヤコブベーメ」。これか。本は新刊で購入したけど・・・。

《 ユングと久松(真一)の対話を、わたしは興味深く読んだ。人間は集合的無意識の存在に思いを寄せなければならないと説いたユングに対し、久松はむしろ 必要なのはその集合的無意識からも人間が解放されることだという答えをもって応じたのである。 》 「第7章 駒場に戻る」 208頁

《 わたしが閉口したのはまずブルトンの文章の難しさだった。(中略)これはかなわないと観念してこっそりと翻訳を覗いてみたが、生田耕作の訳はあちこち間違いが あり、おまけに不明な点は平然と飛ばしてあったりして、とうてい頼ることはできないと判明した。 》 「第7章 駒場に戻る」 209頁

《 ブルトンの訳読は一年をかけてもいくらも進まなかった。(中略)あるときは詩人の澁澤孝輔が来て、蒲原有明による象徴詩翻訳と推敲について話した。 》  「第7章 駒場に戻る」 210頁

 渋沢孝輔蒲原有明論─近代詩の宿命と遺産』中央公論社1980年初版が本棚で読まれるのを待っている。渋沢孝輔詩集『漆あるいは水晶狂い』思潮社1969年は、 好きな詩集。「水晶狂い」の冒頭。

《   ついに水晶狂いだ
   死と愛をともにつらぬいて
   どんな透明な狂気が
   来りつつある水晶を生きようとしているのか
   痛いきらめき
   ひとつの叫びがいま滑りおち無に入つてゆく  》

《 わたしは自分が一八歳までは、見よう見まねで詩作を続けていたものの、その後はいくら努力しても書けなくなったことを思い出した。 》 「第7章 駒場に戻る」  211頁

  同じような人がいるものだ。

《 わたしたちは高校三年生の秋に鎌倉の近代美術館で開かれたムンク展を、日にちこそ違え同じときに見ていて、強い印象を受けていた。 》 「第7章 駒場に戻る」  216頁

 私も見ていた。

《 今日ではなかなか理解されにくいかもしれないが、一九七◯年代という時代は政治的昂揚の季節が終焉を遂げるとともに、理性による世界統合を疑い、その背後に ある暗闇を覗きこもうとする力が大きく前景化した時代だったのである。 》 「第7章 駒場に戻る」 220頁

《 それなりに語学こそ出来たものの話していても張り合いがなく、個性的な輝きをほとんど感じられなかった。わたしは彼女たちに異性を感じなかったばかりか、 自分が抱え込んでいる学問的主題をめぐって立ち入った知的な会話を交わすことなどまず期待できそうにないなと、しばらくして諦めるようになった。 》  「第7章 駒場に戻る」 213頁

 後半、痛いほどよくわかる。三島ではそんな女性に出会わなかった。いただろう才媛は、小さな店の私なんぞ視野の外だっただろう。

 朝、源兵衛川中流、時の鐘橋~源兵衛橋~下源兵衛橋のヒメツルソバを抜く。ついでに川岸の源兵衛川を愛する会前会長の庭のも抜く。土のう袋ほぼ一杯。やれやれ。 水面がキラキラして気持ち良い。帰宅。シャワー。

 ネット、いろいろ。

《 そういうことですね。まだ予想進路は変わっていくでしょうけど、今のところ、このまま進むと都内も含め南関東平野部全域が壊滅的。 伊豆半島の付け根あたり沼津市三島市も。 》 ふくちゃん
  https://twitter.com/zishinmimi/status/1181695741447696384

 うわ、直撃かあ。ふくちゃん、とは。友だちの飼っているインコの名前。私が呼ぶと肩に乗り頭をペコペコ。かわいい。

《 世耕も750万も貰っておいて、「知らない人だ」で通るわけがない。アベ一味は原発マネーで結びついた利権集団です。 何の利害関係もない赤の他人に750万もくれる人はいない。いるんだったら、おいらに750万円くださいw /原発自民党の集金マシーン 》 ネットゲリラ
  http://my.shadowcity.jp/2019/10/post-16345.html

《  アメリカの盟友達は覚悟すべき。
  トランプ大統領は用済みの戦友クールド族を見殺しに、アフガン政府に無断で反政府タリバンと米軍撤退を交渉、北朝鮮が日本に届くミサイルを撃っても見て見ぬ、 イランには優柔不断、NATOと喧嘩、ロシアを利する外交を展開…
  この人との親交信頼関係は何の意味もない。 》 YoJung Chen
  https://twitter.com/YoJungChen/status/1181724026370052096

《 明治からの大日本帝国と近代天皇制と教育勅語と…etc.は事実「負けた」んだよ。繰り返しやめてあっさり捨てようぜ。 》 会田誠
  https://twitter.com/makotoaida/status/1181562981366169601

《 ウシにシマウマのシマ模様を描くと「吸血ハエの数が半分になる」と判明 》 Gigazine
  https://gigazine.net/news/20191009-painting-zebra-stripes-biting-fly/