「Kの日々」

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。芦辺拓「探偵宣言 森江春策の事件簿」講談社ノベルス1998年初版、アルトゥラ・シュニツラー「輪舞」現代思潮社1997年初版、計210円。

 大沢在昌「Kの日々」双葉社2006年を一気読み。やくざの組長が誘拐され8000万円と引き換えに開放されたが、身代金を受け取った男は殺され、金の行方も真犯人も判らず3年が過ぎ、事態は再び動き始めた。身代金を実行グループから奪ったのは誰か。金の行方は?悪党悪徳刑事探偵らがそれぞれの思惑を秘めて謎を追う。焦点はKこと美貌の女性元山京(けい)。真相は予想されたとおりだったが、それまでの虚虚実実の駆け引きと推理合戦が読ませる。いやあ面白かった。いい読後感だ。それにしても、この凛とした女性の恋の落ち方そっくりの女性が知り合いにいて、彼女が読んだら身につまされるだろう。恋の終わり方までそっくり。
 「Kの日々」の次は杠葉啓(ゆずりは・けい)「Kの悲劇」扶桑社1986年だな。杠葉啓は吉村達也の別名。これがデビュー作。解説を作詞家秋元康が書いている。秋元康といえばこんな記事。
「京都造形芸術大では本年度、学長に日本画家の千住博氏、副学長に作詞家の秋元康氏が就任している。」
 へえ〜。