百冊の本、読んだ?

 昨日引用した丸谷才一の発言の「近代日本の百冊の本」は、月刊現代1991年1月号2月号に載った「近代日本の100冊を選ぶ」という企画のこと。伊東光晴大岡信丸谷才一森毅山崎正和の五氏が「のべ40時間の徹底討議」で「この百二十年間のあらゆるジャンルの本を俎上にのせ『いま読んでおもしろい』ものを厳選した初の試み」

 百二十年間でたった百冊を選ぶのだから、石川啄木芥川龍之介川端康成小林秀雄三島由紀夫が落選。キビシ〜イ。単行本は講談社から1994年に出ているので、詳しくはそちらを。

 まだ読んでないの〜? と突っ込まれる選出本は、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」、谷崎潤一郎痴人の愛」、手塚治虫鉄腕アトム」、村上春樹羊をめぐる冒険」などなど。

 まだ読んでない本は、岡本綺堂「半七捕物帳」、吉川英治鳴門秘帖」、九鬼周造「『いき』の研究」、武田泰淳司馬遷の世界」、大岡昇平「野火」、大江健三郎「芽むしり仔撃ち」、開高健「日本三文オペラ」、井伏鱒二「珍品堂主人」、吉行淳之介砂の上の植物群」、石牟礼道子苦海浄土」などなど。以上の本は本棚にはある。

 まず読まない本は、大槻文彦言海」、小林一三「日本歌劇概論」、山田盛太郎「日本資本主義分析」、牧野富太郎「牧野日本植物図鑑」、経済安定本部「経済実相報告書」、篠原三代平・編「産業構造」などなど。手にしたこともない本ばかりだ。

 もう読んでいる!本は、樋口一葉たけくらべ」、夏目漱石「それから」、泉鏡花「歌行燈」、斎藤茂吉「赤光」、永井荷風「腕くらべ」、萩原朔太郎「月に吠える」、小川未明「赤い蝋燭と人魚」、きだみのる「氣違ひ部落周游紀行 」そして古井由吉「杳子」などなど。……二十冊もない……。読む本がたくさんあって楽しみだなあ〜、ああ。

 ブックオフ長泉店で連城三紀彦のハルキ文庫を二冊。「変調二人羽織」1998年初版、「宵待草夜情」 1998年初版、計210円。