配達あかずきん

 大崎梢「配達あかずきん」東京創元社2006年を読んだ。新刊書店を舞台にした日常の謎の短篇五編。気軽に読める佳作ぞろい。題名もいいが帯のキャッチコピーもいい。
「書店の謎は書店員が解かなきゃ!」
 読後感はもちろんいい。それにしても本屋もタイヘンだ。巻末の書店員の座談会も興趣をそそる。開口一番、戸川安宣の発言。
「これほど本格的な書店ミステリは、今までなかったのではないでしょうか。少なくともここまで書店仕事のディテールを書き込んだミステリは思いつきません。」

 ブックオフ長泉店で二冊。実相寺昭雄「昭和電車少年」JTB2002年初版、都筑道夫「夢幻地獄四十八景」講談社文庫1980年初版、計210円。前者は鉄道写真に惹かれて。後者は黒背なので。同じ初版の黄背は持っている。「い」から始まり「す」「京」で終わる「異論派かるた」と「を」までの「狂訓かるた」からなるショートショート集。谷川俊太郎の解説はそれにちなんで「い」から「京」までの短文で構成。「い」はこんな具合。

「インスタント文学──と言っては、言いすぎになろうか。だが、ショート・ショートには、読者に人生からのコーヒー・ブレークの如きものを与えてくれる効用がある。」

 コーヒー・ブレーク。2チャンネルの静岡ネタから。

   JRの駅で快速や急行にのると余計に金取られるんじゃないかとビビってるのは
  9割方静岡県民。残りの1割は沖縄県民。

  都会で健康のためにも一駅歩くかと言われてどんだけ歩くんだよとビビるうちの
  3割は静岡県民。

 なぜか納得。