退屈三題

 昨夜は沼津市の知人画家のアトリエで飲み会。お開きになって、友だちの家までタクシー、後は雨の中を一時間歩いて帰宅。ふう。きょうは晴天。自転車で美術館へ。私の身体同様、自転車もガタがきている。いたわりながらブックオフ長泉店へ。「立原正秋全集 第十巻 冬の旅」角川書店1982年4刷函付、105円。立原正秋の本を初めて買った。

 小林信彦「読書中毒」文春文庫2000年。プルースト失われた時を求めて」について。

「さて、プルーストは日本で本当に<読まれた>であろうか?/ぼくは否定的である。」220頁

モームの読み方はこうである。(引用者:略)そこでわたくしは、このぼう大な小説をよむならば、まず最初からじはじめ、退屈になったらとばしてよみ、しばらくしたらまた普通のよみ方にかえることをおすすめする。」220頁

 百目鬼恭三郎「解体新著」文藝春秋1992年。

「『源氏物語』でさえ退屈以外の何物でもなかった。」215頁

 狐(山村修)「野蛮な図書目録」洋泉社1996年。筒井康隆「虚航船団」について。

「その小説『虚航船団』を、私は『退屈』と評した。」9頁

「果たして作家からの『逆襲』が毎日新聞に載った。(引用者:略)作家からの反撃はそれからも他誌で執拗につづく。(引用者:略)それもある書評紙に載った匿名評を、私からの反論と取りちがえたあげくの罵りである。私は呆気にとられた。」9-10頁

 「失われた時を求めて」持ってない、読んでない。円地文子・訳「源氏物語」持ってる、読んでる。「虚航船団」持ってる、読んでない。佐藤春夫「退屈読本」持ってない、読んでみたい。