隔たりと共感

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店へ。単行本が二冊で千円セール。最近買ってないからいいや、と二冊買う。天城一天城一の密室犯罪学教程」日本評論社2004年3刷帯付、ロバート・エイディ+森英俊「これが密室だ!」新樹社1997年初版帯付。どちらも新品同様。

 昨日の続き。椹木野衣「なんにもないところから芸術がはじまる」で深く共感した一節から。

≪はっきりしているのは、明確なジャンル意識に基づいてその固有性を追求して行こうとするのが近代芸術であるとき、実はその境界線は脆く無根拠で常に書き換えの危機に晒されているということである。そういう危険性があるからこそ、個々のジャンルはその固有性の確保と自問自答を絶え間なく必要とするのだ。≫128頁

≪感覚の次元には、直感というかたちでの高速の演算がたしかに存在しているからだ。それが、これまでの自分が理解してきた尺度といくら矛盾していようとも、そういう直感だけはけっして「嘘をつかない」し、その矛盾ゆえに「全面的に信用できる」のだ。≫255-256頁

 ほかに美術館に関する言説や日本画松井冬子の絵についての言説など共感した箇所はいくつもある。≪授業ではもう随分前から、寺山の『コメット・イケヤ』(『寺山修司のラジオドラマCD選集2』、日刊スポーツ出版社、一九九三年刊。)を使っている。≫148頁に触発されて棚からそのCDを出したけど、昨夜実際に聴いたのは『五輪真弓ベスト』だった。

 ネットの拾いもの。

≪喫茶店で「明日があるさ」が流れたとき

、 「明日なんてねえよ」と怒鳴って店を出て消息を絶ったY課長。

 娘さんが結婚しましたよ。

 今どこにいるのか知りませんが、祝ってあげてください。≫

 明日、6日(木)は休館します。