共同体を夢見る

 須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』文春文庫1995年初版を読んだ。考えぬかれた構成と湿気の少なく無駄のない文章。いつも感じる特徴がこの本にもある。いい本だ。結び。

≪それぞれの心のなかにある書店が微妙に違っているのを、若い私たちは無視して、いちずに前進しようとした。その相違が、人間のだれもが、究極においては生きなければならない孤独と隣あわせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しないかぎり、人生は始まらないということを、すくなくとも私は、ながいこと理解できないでいた。≫

≪若い日に思い描いたコルシア・デイ・セルヴィ書店を徐々に失うことによって、私たちはすこしずつ、孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う。≫

 松山巖は解説で書いている。

≪じつは私にも、コルシア書店の仲間たちほど明確な意識を抱いていた訳ではないが、四人の仲間と一緒に共同体を夢みた時期がある。≫

私にもあった。遠い、四十年も前のことだ。

 ネットの拾いもの。

オバマ大統領も、お祝いの時には紅白の幕を垂らすんだね。

 あれはアメリカ国旗じゃ。≫