昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で文庫を三冊。E・D・ホック『夜の冒険』ハヤカワ文庫2010年初版、『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』岩波文庫1990年初版、リチャード・ブローディガン『アメリカの鱒釣り』新潮文庫2005年初版、計315円。
一日雨。結城昌治『隠花植物』角川文庫1977年初版を読んだ。元本は1961年初刊。表紙裏の紹介文から。
《 都会の夜を原色で彩る隠花植物にも似た、倒錯と同性愛の世界を背景に、スリリングな発端から意外性に富んだ結末まで、快適なテンポで連続殺人事件を追った長篇ミステリーの傑作。》
昨日の短歌の流れで、五十年前は、ゲイボーイはどんな描かれ方をしていたのか、興味を抱いて読んでみた。昨日の短歌はこれ。
《 少年は少年とねむるうす青き水仙の葉のごとくならびて 》
ゲイボーイたちの集まる店は銀座のアドニス。いかにも、だ。同性愛は偏見なく描かれていた。
葛原妙子の短歌から塚本邦雄の短歌を連想。
《 猟銃のごと美しき弟(おと)あらば風吹ける夜のいづこに歩む 葛原
ペンシル・スラックスの若者立ちすくむその伐採期寸前の足 塚本 》
《 生ける鷹旋回しつつ虚空なる高き朴の香(かをり)に遇ひけむ 葛原
金婚は死後めぐり来む朴(ほほ)の花絶唱のごと蕊そそりたち 塚本 》
《 錐・蠍・旱・雁・掏摸・檻・囮・森・橇・二人・鎖・百合・塵 塚本 》
「り」で終わるこの歌、『隠花植物』からヒントを得たような。それにしても、葛原妙子〜塚本邦雄〜野溝七生子が白玉書房でつながることを、『葡萄木立』の後記を読むまで気づかなかったとは不覚。ネット検索して納得。
ネットの見聞。3Dとは。
《 Dull(退屈)、Dirty(汚い)、Dangerous(危険)〉の3D仕事。 》