海底密室

 朝、源兵衛川を愛する会の月例清掃へ。集合場所のかわせみ橋の袂に半化粧が咲いていた。五人で軽く清掃。水量が多くなったので、深みにはまらないように浅いところを選んで歩く。午前十一時過ぎ開館。

 三雲岳斗『海底密室』徳間デュアル文庫2000年初版を読んだ。前作『M.G.H.楽園の鏡像 』が宇宙ステーションという密室。今回の密室殺人事件は水深四千メートルの深海にある深海海底生活圏実験施設で起きた。前作同様外部からの犯人はいない。誰がどのように、なぜ殺人を犯したのか? これまた本格ミステリーだ。二作とも大人の読み物として充分通用する。三十歳にしてこんな小説を書いてしまうとは。我が身の三十歳を省みて驚く。いや、私の成長が遅いだけ、かも。だからといって大器晩成と見栄を張れないところが、なんとも。塚本邦雄にいわせれば、死んでも大成しない破格の大器もあるというから。慰め慰め。

《 「M.G.H.」は「謎」そのものの面白さという点においてきわだっていた。が、この「海底密室」では、謎の「解決」の新しさという点において、きわだったものを見てとることができる。どちらも素敵に新しい。 》山田正紀「解説」

《 しかし、その危険なエントランス・ポートも、中にいるぶんには普通の建物の一室のようにしか思えない。真の危険とはそんなものかもしれない、と私は思う。危機に面していると実感できたときには、ほとんどの場合手遅れなのだ。安全対策が進めば進むほど、その傾向は顕著になる。 》71頁

 原発事故に先立つ十年前の指摘。

 ネットの見聞。

《 知り合いの古書店から電話。ケータイせどり人がやってきて「調べていいか」と聞かれ、店主がよくわからずOKしたら、店の棚の本すべてをケータイで調べて(それなりに買って)帰ったそうな。 》

《 スパゲティを茹ですぎた……。これはもう、スパゲティじゃない。これはまさに――ソフト麺。 》

 夕飯はトマトソースのスパゲッティを予定。今朝トマトなどを煮つめたソースは今は冷蔵庫に。ソフト麺、やだなあ。