子供の十字軍

 春らしい穏やかな陽気に誘われてブックオフ長泉店へ。田中優子『江戸の想像力』筑摩書房1990年16刷帯付、ジャン=フィリップ・アントワーヌ『小鳥の肉体』白水社1995年初版帯付、佐藤春夫『わんぱく時代』講談社文芸文庫2010年初版、計315円。『小鳥の肉体』は宮下志朗の訳。ネットにはこんな書き込み。

《 『出版ニュース』1月上・中旬号に「今後の執筆予定」というアンケートがある。そのなかで宮下志朗氏は、『エセー5』、『印刷業の逸話集』、『フランス・ルネサンス文学集』などの翻訳上梓予定とともに、こんなことを書いてらした。

  あと、おもしろいのは、マルセル・シュオブの作品集が出ることになって(国書刊行会)、ヴィヨン論を訳している。 》

 マルセル・シュオブは、『黄金仮面の王』大濱甫訳・国書刊行会1984年初版、『少年十字軍』多田智満子訳・王国社1990年初版が本棚にある。未読だあ。

 その『少年十字軍』の隣にベルトルド・ブレヒト『子供の十字軍』矢川澄子訳・マガジンハウス1992年初版がある。うかつにも気がつかなかった、この詩を以前、『ブレヒト詩集』長谷川四郎訳・みすず書房1998年新装初版で読んでいたことを。翻訳を較べると、矢川澄子訳のほうが私には印象深い。矢川澄子訳の本は「子供の十字軍」一編で、山村昌明の銅版画の挿絵を添えて詩画集になっている。帯から。

《 戦乱のポオランドをのがれて子供たちが行く、平和の地を求めて。

  ブレヒトが魂をこめて謳いあげた感動的な名作。美しい銅版画を添えて贈る宝石のような詩集。 》

 矢川澄子は書いている。

《 解説をおわるまえに二つだけ、わたしがこの「子供の十字軍」というタイトルからどうしても連想せずにいられないすぐれた芸術作品にふれさせていただきましょう。
  ひとつはフランス前世紀末の詩人、マルセル・シュオップの同名の作品で、日本ではつとに明治時代、上田敏によって「小児十字軍」として部分訳が出て以来、もっぱら「少年十字軍」の名で何度か紹介されています。(略)最近も王国社から多田智満子訳の美しい新版が出ましたから、ぜひご参照下さい。 》

 はいはい。

 ネットの見聞。

《 幻想小説にして、独裁者小説にして、奇人変人小説にして、アンチユートピア小説であるところの、画家アルフレート・クービンたった1作の小説『対極』(法政大学出版局)は、いかにも水声社か作品社か松籟社で復刊すべき奇書。新装版が出た1985年に買っておいた自分は幸いかな。 》 豊崎由美

 そろそろ再読するかな。

《 「霧の都」というロマンティックな呼び名とは裏腹に、その実態は石炭を燃やした煙や煤が川霧とまじったスモッグ。いま北京で発生しているものと大差はない。 》 藤原編集室

《 支持が70パーセントいるらしいから、あれこれ言うつもりはないけれど、現実に自宅に帰れず苦しむ人がいる中で、「東京は安全です。放射能大丈夫です」と断言してオリンピックを誘致しようという輩の気持ちがまず理解できん。 》

 同感。

 ネットの拾いもの。

《 これ言うの二度目なんですけど、和歌山に昔『トラトラトラ』なるラブホがあって初見では意味不明すぎてスルーの構えだったんですが「えっ、由来これ『ワレ紀州ニ性交セリ』じゃね!?」と了解した瞬間カミナリに撃たれるような感銘を受けた次第です。 》

 知人からきょう届いたフリーペーパーから。

《 回答  ラブホテルは、平成23年風俗営業法が改正され新規許可はできなくなりました。現在あるホテルをそのまま利用する場合は、個人営業の場合は、相談者が経営者として名義変更して経営することはできません(ラブホテルを法人にしている場合は役員変更が必要)。ラブホテルが個人営業の場合は、相談者が管理者として経営に携わることは可能です。 》