触っているだけで幸せな本

 春一番。曇天で風が強いので、東京までの新幹線チケットを三島駅そばで購入して帰宅。明日、HOUSE VISION東京展へ。行きたい美術展が目白押し。エル・グレコラファエロルーベンスフランシス・ベーコン……来月からの、貴婦人と一角獣展、レオナルド・ダヴィンチ展。東京は泰西名画展バブルだけれど、ああ、見送るばかり。

 ゆっくり読書。林達夫久野収『増補 思想のドラマトゥルギー平凡社1984年初版を読了。年を跨いだ、永い読書だった。四十年ほど前の対談。豊饒な知識と深い思索を有する文字通りの知識人による、ハイ・ブラウな、アクロバティックな空中遊泳。知層が、学識が桁違い。我ら一般人は口を開けて仰ぎ見るのみ。今はただ、ふう。

 ネットの見聞。

《 触っているだけで幸せな本。因みに売り物ではありません。 》 盛林堂

 その本は日夏耿之介(ひなつ・こうのすけ)がかかわった『游牧記』。昭和四年に出ている。私の場合は二冊。一冊は半村良石の血脈早川書房の三方金皮装本1975年。千葉県の半村良のファンが、東京の知人に依頼して製本された私家本、十部限定非売品の番外本。ジャケットの紅と小口の金がじつに豪華。製本した知人からいただいた。

 もう一冊は、種村季弘(すえひろ)『架空日記抄』1987年。発行人は私。限定250部のうち番外本の3。1と2は種村ご夫妻へ謹呈。新書版の大きさで、表紙は山羊皮とオリジナル手染マーブル紙。奈良の知人に製本してもらった、一冊ずつ違う造本。世界に一冊しかない本。

 入手しやすい本では、『日本の旅 名詩集』三笠書房1967年、全五巻。布装に押版というか、金版彫版されていて、その凹凸がなんとも心地良い。B6版だろうか、小体な大きさがちょうどよい。函も出し入れしやすい。愛着の本。

《 西尾維新佐藤友哉清涼院流水森博嗣舞城王太郎鯨統一郎辺りを狂ったように読んでいた頃もあった。なかなか尖った女子中学生だな。あっ忘れちゃいけない久美沙織。 》

 鯨統一郎しか読んでない。森博嗣舞城王太郎は少し持っている。

《 ヤフーオークションのIDを2つ持っていたので、そのひとつを解約しようと思った。
  が、ヤフーオークションのトップページのどこをみても、それらしきページがない。
  どうすれば、解約できるんだ?
  あれこれ探し回って見つからず、ヘルプから検索をかけてなんとか「Yahoo! JAPAN IDの削除画面」に辿り着く。
  が、「Yahoo! JAPAN IDを削除」しようとすると、「Yahoo!ウォレットご利用中のため、削除できません」というメッセージが出る。
  そこで、Yahoo!ウォレットを削除しようとすると、「Yahoo!ウォレットを削除できません」というメッセージが出る。
  Yahoo!ウォレットを削除するためには「Yahoo!かんたん決済 受取口座の削除」をしなければならないらしい。
  で、「Yahoo!かんたん決済 受取口座の削除」をした。
  が、それでもまだ「Yahoo!ウォレットを削除できません」というメッセージが出る。
  「Yahoo!プレミアム会員登録の解除」もしなければならないらしい。
  で、「Yahoo!プレミアム会員登録」を解除しようとすると、「解除すると、こんなにいろいろな特典が受けられなくなるんですよ。それでも本当に解除するんですか」という画面が出る。
  それでも解除しようと思うと、今度はどこをどうすればいいのか分からない。
  よくよくみると、そのページの一番下に「次へ」「戻る」というボタンがある。
  もしかしてこれかと思って「次へ」とクリックすると、ようやく「Yahoo!プレミアム会員登録の解除画面」に辿り着き、なんとかかんとか解除することに成功。
  で、そこから「Yahoo!ウォレットの削除画面」に戻るにはどうすればいいんだ?
  またしてもヘルプ画面から「Yahoo!ウォレットの削除」と検索して、「Yahoo!ウォレットの削除方法」というページに辿り着き、そこからようやく「Yahoo!ウォレットの削除画面」に到達し、ようやく「Yahoo!ウォレットの削除」に成功する。
  これで、ようやく当初の目的の「Yahoo! JAPAN IDの削除」ができるのだろうけれど、「Yahoo! JAPAN IDの削除画面」に行く方法が分からず、またしてもヘルプから「Yahoo! JAPAN IDの削除」と入力して、何重にも張り巡らされた罠をかいくぐって、ようやく「Yahoo! JAPAN ID」を削除することに成功する。ぜーぜー。

  いくら解約されるのが嫌だからって、そこまで解約しずらいように設計しなくたっていいじゃないか。
  正直、途中で諦めようと思ったぞ。
  これだけの文章の中に何回「ようやく」って言葉を使わされたと思ってるんだ!?  》 大丈夫日記

《 カナダ、メキシコが、 TPPの後発参入国として屈辱的な条件を飲まされてまで、 TPPに参加したのは、結局、日本という巨大なカモが、後から入ってくることがわかっていたからである。 》 兵頭正俊

 ネットの拾いもの。

《 私は最近、草間彌生樹木希林の区別がつかないが、別に支障はない。 》

《 修行無用の響きあり。 》