人々を巡る短歌

 短歌逍遥、人人への追慕。

《   サンチョ・パンサ思ひつつ来て何かかなしサンチョ・パンサは降る花見上ぐ   成瀬有

    埴谷雄高すなわち般若豊 アウシュビッツに降る雨を言う   道浦母都子

    人の名もて日日を刻まばこの夏の永山則夫一条さゆり   照屋眞理子

    中村金雄ピストン堀口名勝負戦中戦後とこくはななし   福島泰樹

    田宮二郎天知茂や花吹雪 昭和四十一年四月       同

    たこ八郎夏目雅子や第三の男 怪傑黒頭巾死す      同 

    せめて死者から直なる精心(こころ)まなびなん村上一郎高橋和巳   同   》

 言葉が言葉を呼ぶ。

《   ゾーリンゲンの剃刀(やいば)あてつつわがほほに<すがすがしき人生>など思うなり   村木道彦

《   恕すこと知らざる君がゾリンゲン肥後一閃の瞬きもせず   福島泰樹

《   ゾリンゲンその響き佳し黒革の手套(てたう)にて耳なでらるるごと   照屋眞理子   》

 ブックオフ長泉店で二冊。鹿島茂『パリ・世紀末パノラマ館』中公文庫2005年2刷、オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』新潮文庫2005年62刷、計210円。

 静岡知事選、現職圧勝。自民推薦候補、三島市出身というけど、周囲も誰も知らない。

 ネットの拾いもの。

《 選挙、出馬するのを忘れていた。 》