再読『「挫折」の昭和史』三(閑人亭日録)

 山口昌男『「挫折」の昭和史』岩波書店1995年初版を再読。「3 スポーツの帝国(一)──小泉信三とテニス」「4 スポーツの帝国(二)──岡部平太の”満州”」 を読んだ。後者から。

《 たしかに、満鉄は、当時の日本の東アジア大陸への侵略の橋頭堡であり、スポーツは日本の軍国主義に裏うちされたウルトラ・ナショナリズムイデオロギー教育の 一環を担っていたと言えばそれまでである。しかし、今、我々がたしかめようとしているのは、どのような世界に人々が生きていたかという歴史・生活世界の問題なので ある。 》 121頁上段

《 いずれにしても岡部は憑庸問題で生涯最大の挫折に遭遇した。友人の石原(莞爾)が起こした満州事変のあおりを喰って関東軍に逮捕され、また張本人の石原の 介入により釈放されたらしいというおかしな状況の犠牲者になったのである。岡部はスポーツマンとしては珍らしく政治、軍事事件に巻き込まれた挙句、スポーツ界の 表面から姿を消してしまう。 》 136頁上段

《 岡部は犯罪者でも何でもない。(中略)岡部は無為のうちに二つのオリンピックを拱手して眺める他はなかった。 》 138頁上段

《 ここまでの叙述でたしかめて来たように、岡部は、無防備なまま時代から突出していた。それ故に時代は報復として岡部の経歴(キャリアー)を破壊した。それが 岡部における「挫折」の実際の姿である。しかし、今日、オリンピックにおける日本の無力、その悲惨な状態を考えると、日本体協は岡部を挫折させたことに対して 大きいつけを払っていると言わざるをえない。より大きく挫折したのはスポーツ界に現れた時代の方であった。岡部のコーチの理論が継承されたという痕跡は、その後の 日本体協に見当たらない。つまりスポーツの官僚組織が演じたのは、岡部を挫折させることによって、逆説的に岡部の姿をいっそう光彩陸離たるものにしたということで あった。 》 139頁下段

《 小泉(信三)の生まれ、学び、仕事をした社会環境は、同時代で最も望ましいものの一つであった。 》 140頁上段

《 一方、岡部平太の場合、その生涯は脱中心の連続であったと言える。 》 140頁上段

《 社会的に言えば、小泉と岡部は、全く対蹠的な立場にあった。しかしながら、小泉と岡部は秘かな糸で繋がれた合せ鏡のごとき対をなしている。 》 140頁下段

《 二人とも、抜群の表現力に恵まれ、スポーツ・マインドの真髄に迫り、その立場から人を愛し、若者を育てた。しかしながら、時代の或る部分とのズレはついに 修正する機会を持つことなく生涯を終えた。 》 141頁上段

 ネット、うろうろ。

《  「一九五四年の十二月十日。外には淡い靄がおりていながら、月のいい晩であった。お酉様の賑わいも過ぎた下谷・竜泉寺のバア〝アラビク〟では・・・」
   ――中井英夫『虚無への供物』開幕。 》 藤原編集室
  https://twitter.com/fujiwara_ed/status/1204206892307734528

  1993年(平成5年)12月10日、中井英夫逝去

  〈 時の流れ(レール・デュ・タン) 〉終(つひ)の一滴
     馨(かを)りたち掌上軽し一壜の虚無  照屋眞理子

《 1935年の今日は寺山修司が生まれた日です。職業は寺山修司。 》 愛書家日誌
  https://twitter.com/aishokyo/status/1204176424472584192

《 当時寺山さんはネフローゼという難病で、入院治療絶対安静の日々を過ごしていた。もしかすると本もまとめることなく、このまま死んでいまうのではないか、 という危惧が、この詩歌集刊行の動機であったと、五月晴れの青山、かもめ飛ぶ祭壇に向かって、十八歳のデビュー作「チェホフ祭」の生みの親である中井英夫さんは、 嗚咽に声をとぎらせながら語りかけていた。/福島泰樹寺山修司 歌のわかれ」 》 毎日新聞1983年5月23日付

《 寺山の葬儀が昨日あって、けさの朝日によれば二千人集まったという。 》 中井英夫『月蝕領崩壊』「五月十日」 151頁

《 寺山修司さん・黒柳徹子さん 》 You Tube
  https://www.youtube.com/watch?v=AzuTY0Fl728&feature=youtu.be&utm_content=bufferd0727&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

《  ぜんぜん日本のテレビでは報道してない。
  でも全世界で報道してる。危険だと

  オリンピックの聖歌スタート地点で、放射線が深刻で(70マイクロ)という放射能汚染が見つかったと海外で一斉に報道をしてるけど、日本は報道をしていない。
  とても平和である。 》 TOHRU HIRANO
  https://twitter.com/TOHRU_HIRANO/status/1203992583078199301

《 安倍晋三のインチキ記者会見が終わった。指名されたのは日経とNHKと読売。政権に厳しく対峙してきた東京、毎日、朝日は指名されず。怒りしかないね。 》  藤本順一
  https://twitter.com/1958fujijun/status/1203972035690414081

《 国会に出たくないなら、国会議員を辞めればいい。予算もいらない。人手もいらない。 》 中沢けい
  https://twitter.com/kei_nakazawa/status/1204232675931779072

《  憲法改正なんて難しいこと言わないで、できるところからやりましょうよ。名簿を提出するとか辞めるとか。大した能力ないんだから、もっと簡単なところからね、 安倍晋三さん。

  東京新聞:首相、憲法改正「必ず私の手で」 原案策定を加速:政治(TOKYO Web) 》 大倉崇裕
  https://twitter.com/muho1/status/1204047820027654146