乾くるみ『カラット探偵事務所の事件簿 I 』PHP文芸文庫2011年8刷を読んだ。 語り手が高校生ではなく三十歳独身だといいねえ。大人だねえ。六篇を収録。 File1から File5、飛んで File20とは。何だろうと読み進めると、え〜〜! 叙述トリックにうまく嵌められた!
不可解な出来事が快刀乱麻を断つごとく鮮やかに解決される。二重三重の謎が 織り込まれ、じつによく作り込まれている。一粒で二度おいしい味わい。 心地よい読後感。
日差しは強烈だけれど、心地よい風に誘われて自転車をこぐ。ブックオフ沼津南店で 八冊。道尾秀介『向日葵の咲かない夏』新潮社2005年初版、同『ソロモンの犬』文藝春秋 2007年初版帯付、同『光媒の花』集英社2010年初版帯付、安東次男『おくのほそ道』 岩波同時代ライブラリー1996年初版、尾形仂(つとむ)『蕪村の世界』岩波同時代ライブラリー 1997年初版、高杉一郎『シベリアに眠る日本人』岩波同時代ライブラリー1992年初版、 尾形仂(つとむ)『芭蕉・蕪村』岩波現代文庫2000年初版、丸谷才一『合本 挨拶は たいへんだ』朝日文庫2013年初版、計864円。
ネットの見聞。
《 行く夏や遥かなる雲湧きやまず 夏目雅子 》
《 吉祥寺よみた屋澄田喜広さんの『古本屋になろう』(青弓社)が刊行された。 「素人とプロの違い」という一文がある。澄田氏は「なぜ、その価格になっているのかを 説明できる」ことがプロの古本屋の証だと。 》 古書通信編集部
《 国民の税金を使った政府公報で、放射能「絶対安全論」を垂れ流す。 政府ないし県の故意ないし不作為によって、半減期の短い放射性ヨウ素やテルルの 測定データがなく、小児甲状腺癌の原因が特定できなくなっているのに。まるで 「国家犯罪」などなかったかように振る舞う。過去の公害病の時とそっくり。 》 金子勝