「神に許しを」

 朝九時、携帯電話がブルブルと震えて鳴った。ブルブル初体験。地震緊急警報の お知らせ(訓練)。へえ〜。

 陳舜臣『幻の百花双瞳』徳間文庫1987年初版を取り出し、「神に許しを」を読んだ。

《 私は変った人間になって人びとの注目を浴びたかったのです。子どものころから、 私は自分でない人間、それも変った人間になりたくてしかたがなかったのです。 》

 女の子がアイドルにあこがれたり、男の子が変身=超人に夢を抱くのは当たり前か。 憧れや夢を持たぬ人は、図らずも才能を持ってしまった人(アーティスト)。 そんな人は、普通が一番と思っている。この逆転現象。私は凡人だから、 ちょっと背伸びしたい。それにしても、自分の人生を生きるってどんな人生だろう。 自分の望む人生を生きるってことだと、途中で気が変って生き直したくなったら……。 人生、何が起きるかわからない。あらら、水漏れだよ。漏水…… 老衰は忘れた頃にやってくる。トホホ。

 ネットの見聞。

《 ポール・コリンズ『バンヴァードの阿房宮』(白水社)の「世界を変えなかった十三人」 のなかで、比較的よく知られているのは偽台湾人サルマナザール。種村季弘「文学的変装術」、 高山宏「〈アジア〉のフェイクロア」等のエッセーや、『台湾誌』の部分訳 「台湾の言語について」(武田雅哉訳)もある。 》 藤原編集室

《 なかでも異色なのは陳舜臣の短篇「神に許しを」(『幻の百花双瞳』収録)。 18世紀南仏生れの偽台湾人サルマナザールの生涯を小説仕立てにしたもので、 少年時代からロンドンでの(台湾人としての)出世、ブームの終り、晩年と死まで、 伝記的事実にほぼ沿って物語られている。初出は1969年。 》 藤原編集室

《 倉橋由美子の文庫は高校時代に買った初版なので思い出があり手放せない。 》  早坂類
 https://twitter.com/Hayasakarui/status/504838206857031680

 倉橋由美子『悪い夏』角川文庫1970年初版。「あとがき」冒頭。

《 私の作品が今度はじめてこの文庫に収められることになりました。何冊かの 作品集が出たなかで、これが特別の感慨を抱かせるのは文庫本といふ形の せゐのやうです。 》

 この角川文庫には栞紐がある。本棚にある一番古い単行本は『蠍たち』徳間書店 1968年初版帯付。高校時代に買ったのかな。

《 憲法違反と法律違反では前者の方が深刻なはずなのに、日本では後者の方が 強く戒められる。なぜか?憲法は国民から政府への命令であり、それに違反するのは政府だが、 法律は政府から国民への命令であり、それに違反するのは国民だからだろう。 この意識を逆転しなくてはならない。 》 想田和弘

《 「民主主義において、アメリカやドイツが45歳ならば、日本は、まだ12歳の少年」 ダグラス・マッカーサー。戦後もそろそろ七十年になろうというのに、 日本人は一向に成長していない。それどころかさらに幼稚になったのではないだろうか。 》  藤岡真

《 私はね、過去の政府や軍部の過ちを認めるのが恥ずかしいことだとは全く思わないし、 それが国を辱しめることになるなんぞとも、全く思わない。でも、国際社会から今の日本の 人権意識を疑問視されたり、国際機関から改善の勧告を受けたりすることは、 とてつもなく恥ずかしいことだと思いますよ。 》 松井計

 ネットの拾いもの。

《 おれたち(誰たちだよ)は『ホットロード』を“能年ちゃんの映画” だと思っているけどさ、ツイッター検索すると圧倒的に“EXILE映画”なんだよな。 》