「 火星年代記 」

 京都の三月書房のウェブサイトを見ていて衝動的に注文した水木しげる火星年代記小学館 が届く。桜井文庫1978年を持っているけど、1962年に出た貸本のA5判の復刻版で読みたくなった。
 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/

 挟み込みの「火星年代記読本」に小野耕世が「『火星年代記』の霊気と未来への郷愁」で 興味深いことを書いている。

《 つまり、ヨーロッパとアジアのふたりのマンガ家が、水木しげるに魅せられて しまったのだ。水木作品の古代から現代につながる世界風景のなかに漂う一種の〈霊気〉 のとりこになっている。 》

《 この描線と密度の濃い背景から生れてしまう作品の霊気は、水木しげるの〈天然〉 だからである。 》

《 こうした〈天然の人〉にはだれも勝てない。 》

 山口信二は『鈴の音』『妖棋死人帳』『火星年代記』を「私にとって、水木しげる 貸本長編時代劇のベストスリーである。」と断じている。『火星年代記』と『妖棋死人帳』 桜井文庫1977年を読んだ。やっぱり独特、独自の世界だ。『火星年代記』の「ふきだし」から。

《 「この事件は話をきけばきくほど分らなくなる」「作者がなにかカン違いしているのでは ないかと思う位だ」 》 54頁

 『妖棋死人帳』の巻末「水木しげる略歴」から

《 その后、紙芝居八年、漫画七年やって今日に至り、年三十九才と十八ヶ月。マスマス元気 といいたいのですがあまり元気はありません。趣味はなまけることです。 》 186頁

 勢いで未見の『鈴の音』をネットで注文。ワクワク。

 多摩美術大准教授のリトグラフ作家佐竹邦子さんから今年のカレンダーを恵まれれる。去年の作 『 Wind work-59 』に特に惹かれる。上記の引用ではないが、天然のセンスに恵まれた人だ。
 http://www.tamabi.ac.jp/hanga/info/2014/prize01/02.jpg

 穏やかな風なので、ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。赤城毅『紳士遊戯』カッパノベルス 2002年初版、平山蘆江『東京おぼえ帳』ウェッジ文庫2009年初版、E・ケストナーケストナーの「ほらふき男爵」』ちくま文庫2000年初版、計324円。

 ネットの見聞。

《 昨日、「ヴァナキュラーな言語表現の範例」として挙げたのは石牟礼道子『苦界浄土』、 宮本常一土佐源氏』、橋本治桃尻娘』でした。 》 内田樹

 ヴァナキュラー VERNACULER =土地の言語を用いる、一般庶民の日常言語を用いる

 ネットの見聞。

《 古賀茂明氏「高級で勝負する“先進国モデル”へ転換すべきだ」 》
 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156169/1

《 政見放送ならぬ、政権放送化するNHK…。 》

 ネットの拾いもの。

《 去年の大晦日に会った高校時代の友人に「作家はいいよな。定年がないから」と言われたので 「定年はないけど、明日もないよ」と答えておいた。 》