『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』、「聖エウダイモンとオレンジの樹」、 「人形」を読んだ。これまた美女の物語。といっても前者は大理石の彫像、後者は紙の人形。 どちらも生きているよう。人形は一体、アンドレ・テュイエのレプリカを所有している。 気品のある深く青い、問いかけるような瞳に思わず惹き込まれる。目の毒。その販売図録に 内藤ルネが一文を寄せている。
《 そして、いつか写真で見たアンドレ・テュイエの人形は、美少女の中の王女とでも 呼びたい典雅な顔で、心にしみるデリケートさに私は気が遠くなった。 》
伊豆修善寺にあった内藤ルネ人形博物館にはビスクドールは何体も展示されていたけれど、 こちらの目を惹きつけるものはなかった記憶。それにしても、じつに濃密な展示だった。
午後、昨日の取りこぼし、源兵衛川中流部、水の苑緑地下流のヒメツルソバを抜く。 これで今春の雑草駆除は終了。やれやれ。その勢いで本屋へ行き、椹木野衣『後美術論』 美術出版社を注文。まだ出ていないという。何だろう。ついでに『ハヤカワSFマガジン』を パラパラ。『教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集』の訳者中野善夫がオスラ・ ステープルドン『オッド・ジョン』ハヤカワ文庫1977年について書いていた。
ネットの見聞。
《 真面目な話、今回の『教皇ヒュアキントス』は売り手・送り手側と買い手・読み手側が ツイッターを通じて盛り上がるという、新しい愉しみ方を作ったという意味で画期的な出来事 かもしれない。販促グッズのことを除いたとしても、やり方次第で沢山の人に本は届く。 》 舞狂小鬼
《 「美術手帖」の美術出版社が民事再生法の適用を申請 》 帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4018.html
《 いわゆる「一般教養科目」を artes liberales(リベラルアーツ=自由人の技芸)と呼んだ 古代ローマ人は正しかった。身も心も「不自由」な人が反教養主義を叫んでいる現代日本の状況を 見るにつけ、やっぱり自由って大事だなと思う。教養なしに自由なし、自由なしに教養なし、ですよ。 》 吉田寛
《 本を買う客は、目当ての本を買い求めるためだけに書店を訪れているのではない。
本好きの客は、書籍の背表紙がずらりと並んでいる景色を眺めるだけでうっとりすることができる人々だ。 》 小田嶋隆
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20150305/278274/?ST=smart
《 昨日の「即戦力欲しければ企業は自分で大学つくれ」ツイートへのRTありがとうございます。 僕は身銭切って自分の学校を作って、自分の身体使って人を育てています。教育は「持ち出し」 でやるものだと思うからです。人のコストとリスクで教育の成果だけ取りたがるのは虫が良いです。 》 内田樹