「コアントローの宵あるいは深酒」

 数日前からオレンジリキュールのコアントローを飲みたかった。昔は洋菓子に使った。 今はひたすらに飲みたい。昨日購入。愛玩の小体なリキュール・グラスに注ぎ、味わう。 こりゃ甘い毒だ。同い年のギリシャの歌姫ハリス・アレクシーウの2009年のCDをかける。 数日こればかり。
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 10. KRIMMENI AGAPI
 心が揺さぶられる、いや、深い深いところから全身丸ごと掬い上げられ、太洋の大波に 揺られ揺られ、天空へ浮き上がり、海上へ滑り込む。その雄大な揺れに身を委ねる。 そのなんという切々たる快感。この一曲を聴く(身を委ねる)ためにそれまでの四十分はある。 「深きより」「彼方より」来たるこの深い深い叙情、劇情そして激情。この一曲のために、こ、 この四十年はあった。コアントロー、いい酔い心地だ、音楽と酒の結婚。いいじゃないか。 久しぶりに味わう至福の酔い。暗転反転晴天霹靂怒髪天。走馬灯のごとく回想は経廻る。 還らざる日々。あらあらこんなに減っちゃった。

 五月。なにもかもがひらかれてゆく。なんと眩しい陽光。

《  二十才 僕は五月に誕生した  》 寺山修司「五月の詩」

《  五月の雲のみ仰げり吹けば飛ぶ男  寺山修司  》

《  書物のなかに海がある
   心はいつも航海をゆるされる  》 寺山修司「あなたに」

 ネットの見聞。

《 ブルー・コメッツ&ブルー・ジーンズ キャラバン Caravan 》
 https://www.youtube.com/watch?v=uQ2kPaeOS-c&feature=youtu.be

 1965(昭和40)年の録音。分厚い音の層。60年代後半、新宿は急速に急激に 熱くなった。灼熱の十年、火傷するほどの。そして今、クール原発低温火傷

 ネットの拾いもの。

《 キンチョー コンバット「コンバットミュージック」篇 》
 http://www.kincho.co.jp/cm/html/combat_music/index.html

《 大学はレジャーランドから、奴隷船になってしまった。 》