「逸脱」

 昨晩、モヤモヤ気分が抜けず、えいやっ、と3,500円の小説を予約。迷ったら買っちまえ。 いよっ、太っ腹。
 http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca1/140/p-r-s/
 今朝には予約数に達し受付中止に。即決正解。ネットをさ迷っていると、買いたい〜本がつぎつぎに。 気になる本は「お気に入り」に、すごく気になる本はメモ用紙に手描き。でもって買った本は……ない。 食べものはメモ用紙に書いて……スーパーへ着くと商品名を憶えてない。ステルス・マーケティングは、 私には通じないようだ。

 昨夜、「EGO-WRAPPIN' Midnight Dejavu~色彩のブルース~ 」に逸脱してゆく日常感覚を懐かしむ。
 https://www.youtube.com/watch?v=eSLnY0FTaX4

 いや、懐かしんではいられない。逸脱だ。芸術とは逸脱するもの、ことの別名。

 故浅川マキのデビュー・アルバム『浅川マキの世界』をCDで聴く。この感覚、この世界なのだ。 1970年前後、世界は奇妙に歪み、胎動の呻きが蠢いていた。渋谷の寺山修司と新宿の唐十郎が張り合う。 ナジャ、エイジ、Pit In 、蠍座……。渇きと熱風。浅川マキ歌う「赤い橋」。橋はなかった。 幻の橋が夜空に浮かんでいたか。淋しさには名前がない。ふしあわせという名の猫はフーテンとともに どこかへ消えた。今月は十三日の金曜日。母親が死んでしまった彼女。ちっちゃな時から愛していたのに。 彼女は愛せなかったのかもしれない(店にも美術館にも来てくれた)。別れも告げずに一人で死んでしまった。 墓参りなんかするか。山河は変わりなく。雪が降る。

 大岡信の著作を読むと彼は中庸を行った。正統異端中心辺境前衛後衛全方位を見渡しての、右顧左眄ではない中庸。 見事なまでにおかしな逸脱はない。とても参考になった。しかし一般人の私は、中庸を思っていて、知らずに 凡庸に陥っていたこともあった、ようだ。反省反省。凡庸な人が逸脱を心がけて行動すると、笑えない結果を招く。 注意注意。

 水木しげるが亡くなった。『河童の三平1』桜井文庫1975年初版のサインを見る。流れるような一気呵成の字。 梶井純は解説冒頭に書いている。

《 水木しげるの全作品のなかで、もっともすぐれたものはなにか、と問われるならば、私はちゅうちょなく、 貸本マンガとして描かれた兎月書房版『河童の三平』(全八巻)と東考社悪魔くん』(全三巻)をあげる。 》

 水木しげるもまた、見事に逸脱したマンガ家だった。合掌。

 午後、西武ホールディングスの役員ら五人を源兵衛川へ案内。

 ネットの見聞。

《 そして、まずは近いところから、水戸の市民に、芸術館は何をやってあげられるだろうか、そのことについても、 考えていかなくてはならない。そしてその実現に向かって進んでいかなくてはならないと思うのです。  》  (前)水戸芸術館館長 故吉田秀和
 http://arttowermito.or.jp/about/other.html?id=201

《 共和政という、複数の価値観や複数の利害が絡み合うことを常態とする政体ではなかなかものごとが決まらない。 けれども、なかなかものごとが決まらずにいるうちに、歴史の淘汰圧に耐え得ない空疎な政策や組織が消え失せ、 生き残るべきものが生き残る。適否の判断を「歴史という審判者」に委ねることを人々は選んだ。 それほどには歴史の判定力を人々が信じていたのである。 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2015/11/27_1602.php

 ネットの拾いもの。

《 さぁ、古本が売れたとは言え、売れた量より遥かに売れ残ったこの古本たちをどうするかな…。 》

《 これでは効率が良いの悪いのではなく、効率がない。 》

《 熟女より上の方は何というのか質問したら「超熟」と答えてくださった。山崎パン…。 》