『レトリックの意味論』

 未明から風雨強まる。春の嵐。雨は昼に止む。昼過ぎ、源兵衛川中流と近くの川で川底の茶碗のカケラを拾う。 昨日の会合の後、中央給水塔の公園整備を手がけている人からワークショップで使いたいと申し出。バケツ一杯 という要望なのでとりあえず二回に分けて二杯分ほど拾ってくる。バカ陽気で一汗。ふう。
 『Kevin y Carla - Bei mir bist do schoen』を視聴して一休み。
 https://www.youtube.com/watch?v=5uBwm3FjdP0

 午後六時過ぎ電話。TBSテレビの『世界遺産』を観て、と。あれれ茶碗を割って破片をコンクリートに くっつけている。午後拾ってきたものもそのように使われる予定。なんという暗合。

 毎日新聞昨年12月27日「今週の本棚」、中野翠『いちまき─ある家老の娘の物語』井波律子・評を再読。 一昨日の歓談で知人がこの本を話題に。なんと彼は中野翠とは親戚関係に。彼自身気づかなかった、と。

《 辛酸を経て静岡・沼津に移動、やがて沼津兵学校付属小学校教員となる。 》

《 「狐」のペンネームで知られた鋭敏な書評家 》

 親戚の「狐」とは山村修のこと。手元には『野蛮な図書目録』洋泉社1996年初版、『もっと、狐の書評』 ちくま文庫2008年初版など。『野蛮な図書目録』で印象深かった北村富治『「ユリシーズ」案内』宝島社。 評題は「天に変わって不義(誤訳)を討つ」。

《 百五十箇所に及ぶ「誤訳」を検討した本文にはしかし、訳者たちに対する中傷の気味はまったくない。 》

 この本が出た二年後に『ユリシーズ』新訳版全三巻が出た。ネット情報では誤訳は訂正されている。 この三巻本は持っているけど、いつ読むかなあ。
 山村修は私と同年生まれ、2006年没。

 佐藤信夫『レトリックの意味論  意味の弾性』講談社学術文庫1996年初版を読んだ。再読かも しれないが、半分過ぎまで読んで長い休憩(投げ出し)。可笑しみ(諧謔)が随所に、肩の力をすっと 抜くように置かれているが、高度過ぎて笑いにならん。今回読んで気になった箇所を少し書き留めておく。

《 意味の弾性ということばづかいの趣旨は、第一に、固形的な自己同一性を表象したくないためであった。 そして第二に、それでも未練がましくある程度の自己同一性を考えたいからでもあった。要するに、 調子に乗って意味の流動性などと言いたくないからである。意味は液体や気体ではない。不思議な文節性を、 たしかにそなえているからである。 》 273頁

《 意味の弾性への注目は、もちろん《編成済みの構造》としてのラング、チョムスキー流の《理想的な 話し手=聞き手》の言語という概念の虚構性を強調することになる。さらに、《記号はその体系内の全記号との 差異的対立によってのみその価値を成立させる、それゆえ一記号の変様は大系全体の変様をひきおこす》… という、模型理論としては非の打ちどころもない原理が、じっさいにはきわめて現実性の薄いものである という事実をも強調することになる。記号は、体系全体などとはかかわりなく、たまたまごく近辺にある 記号群と、それもひどく気まぐれな連帯性をしめすだけだからである。
  ここであわててつけ加えておかなければならないのは、《編成済みの構造》としての《理想的な話し手= 聞き手》の言語のほうでは、当然のことながら、いくらその虚構性を指摘されても(いちおうは)痛くも かゆくもない、ということである。 》 278頁

《 それはオックスフォードの言語学者ロイ・ハリスの『言語作者たち』である。 》 280頁

《 ハリスによれば、おおよそ、ソシュールの「ラング」と「パロール」概念の分離もチョムスキーの 「理想的な話し手=聞き手」像も、要するに、二十世紀の広義の構造言語観は《一言語辞典》が幅をきかせる ようになったという歴史的事実が生み出した結果である、ということになる。 》 282頁

 一言語辞典とは、英和、和英といういうような異言語間の二言語辞典ではなく、いわゆる国語辞典。 語彙辞典ではない。明日へつづく。

 ネットの見聞。

《 2月14日は俳人になろう チョコ俳句 スロット 》
 http://slot-maker.com/214/

《 (笑)いしい商店 新着漫画 001 》
 http://www.ishii-shoten.com/honnmaru/manga/234HP20160211N234.html

《 【全地形対応車】ロシア製の「SHERP ATV」がかっこかわいい! 》
 https://www.youtube.com/watch?v=3j7n00Xx38o

《 <9条解釈>協議録残さず 法制局長官、与党接触時に 》 毎日新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160214-00000001-mai-soci

 ネットの拾いもの。

《 航空母艦『甘利』大破、戦艦『宮崎』撃沈、駆逐艦『清原』撃沈、二重スパイ 「ベッキーレイボーン公開処刑諜報機関センテンススプリング戦果。 》

《 今のNHKみてると、日本スゴイスゴイと叫びながら、底なし沼に沈んでいる最中みたいな感じだもんな…。 》

《 カモなくフカもなく(品切れの多い中華料理店) 》