『加藤周一著作集5 日本文学史序説 下』五

 『加藤周一著作集5 日本文学史序説 下』平凡社1980年初版 「第一○章 第四の転換期 下」を読んだ。

《 共同体への帰属と共同体の外にいかなる絶対者もみとめない価値観とを中心として築き上げられた日本的世界観の伝統の なかで、このような(内村)鑑三の信仰が、例外的であり、かつ劃期的であったことは、当然である。 》 403頁

《 彼の平和主義のもう一つの根拠は現実の歴史の観察である。日清・日露の戦争をみて、彼は戦争が戦争を生むこと、 平和のための戦争などというものはなく、戦争が終る毎に軍備はますます拡張されることを見破っていた。 》 404頁

《 (坪内)の影響から出発した小説家たちは、人情をそのあるがままに描け、という逍遥の標語を、作者の経験した事実を そのまま描け、という意味に解釈し、そうすることで──少くとも彼らの一部分は──「自然主義」の文学を作る、とみずから 称した。この言葉は、その後も日本の近代文学を語る多くの人に用いられて、無用の混乱を生みだしながら、今日に及ぶ。 》  417頁

《 有島(武郎)は社会主義へ近づき、(永井)荷風は日本国内の軍国主義風俗を批判し続けた。しかし二人とも第一次大戦 以来の日本帝国主義の、アジア大陸への膨張政策について発言することはなかった。(略)彼らは日本国内の問題に注意し、 併せて欧米の文藝思想に触れることはあったが、アジアの隣国で何がおこっていたかということ、またアジア大陸に対して 日本国が何をやっていたかということには、ほとんど全く関心をもっていなかったようにみえる。 》 444-445頁

 午前中幾つかの用事を済ませ昼食を摂ると、昼過ぎはもう休養日気分。というか、気持ちも体も動かぬ。歳を実感。 ま、やるべきことはやったから。文字通りのスロー・ライフだ。
 林由紀子さんからクラフト・エヴィング商會ほか『犬』中公文庫2009年初版帯付のお礼の電話。百円ですから、と一言。 一昨日購入した林さんの楽しい絵付けの徳利を机の横に置いている。これがいい。初い掘り出し物の印象。
 https://twitter.com/PsycheYukiko

 その徳利を手にしてふと浮かんだこと。この絵柄(木にもたれてのんびり昼寝をしている河童の子)の愉しさ、可笑しみ、 天真爛漫さは、美や崇高とは係わらないのか。北一明の呉須字書茶碗の見事な筆触と較べて思う。林さんの肩肘張らない絵が、 そんな生真面目な考えなんか放っとけ、と示唆しているよう。美や崇高は、息詰まる感情を励起する。息が詰まるものは駄作。 では、息が抜ける作品は? 久隅守景(くすみもりかげ)の国宝『納涼図屏風(のうりょうずびょうぶ)』を思う。
 http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A11878

 ネット、いろいろ。

《 違法性がないと参考人は呼びにくい、と官房長官。何で違法性がないとわかるのか。理財局長が根拠も示さず、適正、 適切と繰り返しているだけではないか。違法性があるとはっきりわかっていたら、国会に呼ぶより、警察を呼べばいい。 》  上丸洋一
 https://twitter.com/jomaruyan/status/838737507747418114

《 教育勅語を大事にしている人達が,こぞって,手の平返しをしているところを見ると,教育勅語に, そうしなさいと書いてあるのかもしれないね(^_^) 》 岡口基一
 https://twitter.com/okaguchik/status/838727935531999232

《 04買われた記事 共同通信からの「おわび」2017年03月02日(木)07時00分 》 ワセダ・クロニクル
 http://www.wasedachronicle.org/articles/buying-articles/4/

《 女性は人生をあきらめると下ネタを連発するようになるらしい。男性は人生をあきらめると下ネタをいわなくなるらしい。  》 一目置かれる雑学
 https://twitter.com/trivia_hour/status/839011169503367168