『解剖の時間』ニ

 養老孟司と布施英利の共著『解剖の時間  瞬間と永遠の描画史』哲学書房1987年初版を少し読んだ。

《 ヴェサリウスはニ三歳の若さで、イタリア・パドヴァ大学の外科兼解剖学の教授に任命された。そして、『ファブリカ』を出版したのは一五四三年、ニ九歳の時 だった。しかし『ファブリカ』は内容があまりに新しすぎた。彼は当時絶対的なものとされていたガレノスの学説を二百以上も訂正したのである。そのため、悪しき 思想・異端であるとされ、大学教授の職を追われることになる。 》 90-94頁

 北一明を思う。

 雨の朝のせいか、いつもより一時間遅く起床。東京新聞文化欄、荒川洋治のエッセイ「風景の時間」に共感。終わりの部分。

《  こうした地味な風景があることで、ことばが生まれる。思いも生まれた。人から見放されたかのような風景にも意味があるのだ。(中略)心の深いところで、 親しみを感じることもある。
  でもそれ以上ものではない。特別なものではないからだ。そんな気持ちで、今日も風景を見ている。 》

 自転車で廻れる範囲の一見何でもない風景を写真に撮っている。これが以外に面白い。写真に残る、今はもう見られない風景、珍しい風景。
 一昨日「最強の絵画」「最響の絵画」のことを書いたが、昼はたと気づいた。最強、最響を融合させる「最高の絵画」があると。これならば何でも選に入る。 今頃気づくとは、いかにも私だが、それは仕方ない。
 午後市立図書館での文学講座「ハードボイルド文学と戦後日本」東京大学名誉教授・井上健を聴く。耳新しいことはなかったが、高城高を挙げていたのが嬉しい。 五味康祐『麻薬3号』について質問した。講師はこの小説をご存知なかった。

 ネット、いろいろ。

《  「生き物のいのちを描く〜知られざる絵師 小原古邨〜」日曜美術館
  5年前にある倉庫から偶然出てきた数百枚の木版画。明治生まれの絵師・小原古邨の作品だ。日本では無名だが、海外で人気を誇った。 日本画のような写実表現と技に迫る。 》 NHK
 http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2018-10-07/31/3681/1902777/

《 福島第一原発の処理汚染水 8割以上が基準超の放射性物質 》 NHK NEWS WEB
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180929/k10011648861000.html

《 【差別話法分析】2018年9月25日午前 菅官房長官記者会見 》 犬飼淳
 https://note.mu/jun21101016/n/n4a7dcfcc8599

《 涼しくなってきたし、いよいよ椅子買ってチェアリングでもするかとホムセンに行こうとしたら雨だし、台風が来るらしい。おのれ崇徳院。 》 総統
 https://twitter.com/soutou_d/status/1045879352276045825