閑人亭日録

正面摺

 雨が上がって晴れたので本の整理を思い立つ。といっても、ごくわずか。先だって買った吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』中公文庫2009年 初版をきっかけに彼の文庫本をまとめてみた。中公文庫では『水晶萬年筆』2010年(既読)、ちくま文庫では『つむじ風食堂の夜』2009年9刷(既読)、『すぐそこの 遠い場所』2004年初版そして『らくだこぶ書房「21世紀古書目録」』2012年初版帯付。この帯は「すでに未来はなつかしい」。長山靖生懐かしい未来―甦る明治・大正 ・昭和の未来小説 』中央公論新社2001年を連想させるなあ。

 NHKeテレ『日曜美術館』で去年の秋と今春に放送された小原古邨の特集で正面摺(しょうめんずり)が披露されていた。思い立って木版画を仔細に見る。小原古邨 の烏の木版画(番組で紹介のものとは違う)にあった。二十年ほど前はこれが正面摺という技法だとは知らなかった。

《 正面摺(しょうめんずり)
  「つや摺」とも言う。摺りあがった絵が乾いてから、光沢を出したい部分を彫った版木(通常の版木とは逆に彫ってあり、正面板という。)に絵を表にして置き、 絵の表側を陶磁器や猪の牙などでこすってツヤを出す技法。黒地の着物に光沢のある文様を表現するのに使われる。 》 浮世絵の用語 その2 技法編
  http://sakigake-one.sakura.ne.jp/yougo02.htm

 他の木版画を調べてみる。『土屋光逸作品集』の『孔雀』1930年代は、白い羽毛の部分が見る角度によって殆ど消えたり鮮やかに浮かび上がったりする。Figure 3.72 がそれ。来訪した友だちに見てもらう。「ホントだ。消える」。友だちに昨日買った『デザインのひきだし 37 特集 活版・凸版でモノ感あふれる紙ものづくり』 グラフィック社を見せるとさり気なく興奮。やはり元デザイナーだ。贈る。編集人津田淳子のツイッター
  https://twitter.com/tsudajunko
 友だちと歩いていると知人女性から電話。源兵衛川最上流部に娘夫婦と孫といる。までは普通だが続けて「枯れ木のキクラゲ、採っていい?」。それはかまわないよと 返事。数分で合流すると、せっせとむしっている。今夜のおかずができたと喜んでいる。キノコには目がないからなあ。
 晩、友だちからメール。さっき贈った『デザインのひきだし 37』。
《 夢中で読んで一通り目を通したよ!面白い! 》

 ネット、うろうろ。

《 これはすごいぞ!現代日本文学の地図!北は「癒しの傾向」、南は「恐ろしい傾向」、西は「現実的」、東は「幻想的」。さあ、あなたの好きな作家たちがどこに 入るでしょうか? フランクフルトで行われる平成文学の学会の担当していらっしゃるリーゼット・ゲブハートがこれを持っていました。 》 Jeffrey Angles
  https://twitter.com/jeffreyangles/status/1136743499813048321

 中心が村上春樹、「癒しの傾向」に大江健三郎古井由吉かあ。知らない文学者も。

《 「海外生活の不安も、些細な冒険も素直に書いてしまおう」哲学者・千葉雅也が過ごしたアメリカ生活 》 文春オンライン
  https://bunshun.jp/articles/-/12225

《 第22回メディア芸術祭で起こった作品紛失の経緯について 》 (euglena)メディア芸術祭6/1-16
  https://twitter.com/__euglena/status/1136236153617563650

《 話し合いの結果、消えた作品は買取になりました。 》 (euglena)メディア芸術祭6/1-16
  https://twitter.com/__euglena/status/1136257770179551232

《 審議拒否がもうすぐ100日に達する安倍自民党とか。そのくせ吉本新喜劇に出たり芸能人と飯を食ったり。そんなに政治やるのが嫌なら政治家を辞めちまえよ。 》  とみ
  https://twitter.com/meow164/status/1136585702521548800

《  政治やめなくていいので
  チヤホヤしてくれる人の全員つれて
  日本から出て行って安倍王国で
  勝手にやってください  》 田中
  https://twitter.com/kuraudtifa/status/1136737582178398208