『中村雄二郎対談集 現代芸術の戦略』五(閑人亭日録)

  『中村雄二郎対談集 現代芸術の戦略』、大江健三郎との対談「文学・哲学・宗教」を読んだ。熱のこもった話が続く。

《 中村 想像力あるいは想像に対する評価は、時代を遡れば遡るほそ低くて、ギリシア語のファンタスマは妄想のことなんですよ。
  大江 ああ、そうですか。イタリア語のオペラに出て来るファンタスーマは亡霊でsものね。
  中村 デカルトも想像力は〈誤謬の王〉と見なされている。スピノザもそうなんです。イマジネーションがほんとに評価され出したのは、十八世紀に始まり十九世紀の カントの構想力やロマン派になってからのことです。それまではむしろ、非常に否定的な概念だったのです。 》 196-197頁

《 大江 悪源太の悪なんて、ただ強いという意味ですね。
  中村 そうなんです。本当はそんなに悪いことをした人間だと読者は思ってないんじゃないかな。古い秩序とか既成のものを壊すのが悪人とか悪党だと思っている。 (中略)
  悪の問題を、われわれは、普通は西洋の文脈の中とか、あるいは悪魔だけから言っているかれど、日常生活でわれわれ日本人が感じている悪というものはどうも少し 違うんじゃないかな。 》212-213頁

《 大江 西田幾多郎善の研究』に対比する本を一冊書こうとすると、それは『悪の研究』になりますか?
  中村 結局はそうなるんですが、簡単に善の反対が悪とならないので、困るんです。西欧でも哲学は悪ということを、ほとんど主題化していないんです。どうしてかと いうと否定概念だからなんです。西欧哲学は、アリストテレス以来、徹底的に存在の学でしょう。そして存在の極致が善になる。逆に、悪は単なる存在の欠如でしかないん です。欠如は主題にならない。カントは〈根源悪〉と言っているけdれど、これはわれわれが言っているような悪でなく人間の業みたいなことなんです。哲学がなぜ現実に 対しての力を持ち得なくなったかかについては、的確に悪というものをとらえる力がなくなったと言ってもいいと思う。 》 213頁

《 中村 考えるとか感じるというのは、そういう手がかりとか補助線とか、そういうものをどう見つけるかということが、半分ぐらい勝負なんですね。 》 216頁

《 中村 普通広げるのと深めるのとは相反するように思われがちですが、広げないと深められないこともありますね。広げることで、異質なものに出会うことができるから です。 》 217頁

 広く深い内容だった。サルトルジャック・デリダ大岡昇平埴谷雄高古井由吉柄谷行人加賀乙彦、小川国夫、森有正高田博厚山口昌男磯崎新高橋康也 などなど幅広い知識人が話題にあがる。

 午後、「みしまのアート~まちの絵画・彫刻探検~」に参加。三島プラザ・ホテル、三嶋大社などを巡る。午後五時、「村松 茂 回顧展」へ戻る。ライヴ演奏が終えた ところでまあ、賑やか。それからが大忙し。絵が何点も売れる。お持ち帰られた空白に在庫の絵を展示。おお、こんなにいい絵だったのか、としばし見とれる。また売れる。 未亡人、あっちこっち大忙し。午後六時過ぎ潮が引いて閉廊。いい一日でした。
  http://www.via701.net/galleryinfo/11410

 ネット、うろうろ。

《 大岡信賞、第1回受賞者に2氏 佐々木幹郎さん、巻上公一さん 》 朝日新聞
  https://www.asahi.com/articles/DA3S14358181.html

 そんな賞、知らなかった。 「大岡信さんお誕生月の催し  第1回 「折々のうた」の海であそぶ。」に協力している身には・・・。
  http://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn042084.html  http://www.city.mishima.shizuoka.jp/media/05095060_pdf_2020130_rad4A1FB.pdf

 

《 辺野古、70メートル超も「軟弱」 地盤調査、防衛省伏せる 》 東京新聞
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020020802000170.html

《 辺野古の埋め立てで防衛省がまた嘘をついた。これまで最深部の軟弱地盤について「強度試験はやっていない」と言い切っていたが、実は試験をやり、 不都合なデータを隠していたのだ。無理を承知の工事であることがあらためて露呈した。とめどなく税金を注ぎ込むとは、一体どこまで腐った政権なのだろう。 》  立川談四楼
  https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1225985071863066626

《 東京新聞:辺野古、70メートル超も「軟弱」 地盤調査、防衛省伏せる:社会(TOKYO Web)   自民党的には、工期が倍になって事業費がどれだけ大きくなっても、それだけゼネコンにお金を落とせる。すなわち長期にわたって票固めができるので喜ばしいこと。 》  がんせき  https://twitter.com/ganseki_kobe/status/1226005311229530112

 

《 ‏世界一標高が高い首都ラパスでは
  主な移動手段が「ロープウェイ」

  面白そうだから試しに
  乗ってみたんですけど、
  この景色余りに綺麗すぎませんか…

  毎日の通勤通学にこの景色見れて、しかもこれ一回30円とか幸せすぎません??? 》 やな ✈高校生で世界二周目
  https://twitter.com/yananezumi/status/1225154073093181441