「西行のうしろ姿」(閑人亭日録)

 知人から贈られた演劇、映画の紙モノに混ざって雑誌『太陽』平凡社が二冊。その一冊1973年10月号、特集「西行 漂泊の生涯」の冒頭は野坂昭如西行のうしろ姿」。 なかなか深い読みで、感心。いや、私のそれまでの西行像がいかに浅かったかを思い知った。本題からは少し外れるが、もはや死語のドロップアウトについて。

《 近頃、ドロップアウトという言葉がはやっている。つまり、逃げることをカッコいいとするのだろうけれど、それはもちろん。現在の社会情勢の中で、積極的に加担し、 反対もせず、遁世をきめこむことは、意味のないことではない。
  しかし、本当に逃げるとなったら、それは地獄をかかえこむことだと、ぼくには思える、(以下略) 》 7頁下段

《 そして、これまでついに逃げきった者は、西行しかいないのではないか、当節流行のドロップアウトが、どうなるのか知らないが、ドロップアウトしつづけるには、 精神肉体ともに、タフネスを必要とするし、それに加えてある支えがいる、歌の形で、表現するにしろ、べつのものでもいいが、何かで発散させるべき能がなければ、 たちまち自殺に追いこまれるだろう、自殺は、ドロップアウトから日常へ戻ることでしかない。 》 10頁中段

《  願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃
  しみじみ、絶唱であると、ぼくは思う、あるべきドロップアウトの、きわまりの姿といっていい。(了) 》 10頁下段

 作品の読み、鑑賞が深ければ深いほど、作品は瑞々しく輝く。深読み過ぎという、ある意味勘違いもあるが、それもまた作品の魅力のなせること。

 連載「太陽の眼 今月の日本」は、柴田翔「すべてのポルノを擁護する 」。

《 ポルノ弾圧派の最後の拠り所は、社会の良識ないしは社会通念である。そして、これは彼らの無意識の本音である。ポルノが、具体的には誰にも迷惑ではないにせよ 「社会通念=多数派」にとって目ざわりだから、禁止するというのである。つまり多数派を僭称する人間による少数派の弾圧、異端者狩りである。ここから政治的社会的 異端者狩りまでは、あと半歩もない。ポルノ弾圧派の目指す社会は、少数者の意思など尊重しない社会、権力者が多数者の意思を僭称し、その下で、各自が他人の意思を ふみにじることによって生きる社会、つまり、潜在的な性犯罪に充ち充ちる社会なのである。 》 153頁

 ネット、うろうろ。

《 三島駅南口東街区の再開発事業の疑問点 》 グラウンドワーク三島
  http://www.gwmishima.jp/modules/tubuyaki/index.php?lid=178&cid=1

《 【子ども脱被ばく裁判】「言葉足らずの講演だった」。9年後の〝ミスター100mSv〟が法廷で語った今さらながらの「釈明」と「お詫び」。 甲状腺ガン「多発」は強く否定/ 鈴木博喜 》BLOGOS
  https://blogos.com/article/440678/?p=1

《 政府は、3月3日に種苗法「改正」案を閣議決定しました。今通常国会で成立させる方針です。
  同「改正」案は、これまで認められてきた種子や苗木の自家増殖を事実上、一律に禁止するもので、農家とっては種子を毎年購入しなければならないなど、 新たに大きな負担が発生します。 》 農民連本部  https://twitter.com/nouminren_head/status/1235486469449379840

《 今見ると虚しい写真。ずーっとこんな戦争ごっこやって金ばらまいて軍備揃え、しかし今回のような肝心な時は全然ダメだった人たち。 日本列島全域にウイルス上陸拡散して、死者まで出してから「水際」だもんな。国民を守る気など元々あったのかね。
  ほんと「海ゆかば」だよ。 》 清水 潔  https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1235602056242532352

《 この暴走列車乗っているような恐怖は、これからあと何か月、いや何年?続くのか。
  安倍首相という運転手が何が何でも運転席を離れず、自分を支持する人だけのために滅茶苦茶なハンドル操作をする。
  首相を「長く続けたい」という欲望のためだけに、私たち国民は生活をすべてを破壊しつくされるの? 》 渡邉麻里子 タルマーリー  https://twitter.com/talmary_mari/status/1235718035178024961

《 死は恐ろしくないが、安倍政権下で死ぬのだけは嫌だ。 》 津原泰水=やすみ    https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1235765585063096321