『ミシェル・セール』五(閑人亭日録)

 清水高志ミシェル・セール  普遍学からアクター・ネットワークまで』白水社2013年初版、「第2部 エピステモロジー 第3章 『ライプニッツのシステム』」を 再読。短い章だが、オツムが混線しそう(しているか)。

《 ライプニッツにあっては、諸学問の総和として体系(システム)が築かれるのではない。むしろ、それぞれの学問ごとに、いわば相応の変形をともなって、「システム」 (Systeme)がそのつど形成されるのだ──この「仮説」を検証することが、『ライプニッツのシステム』全体の課題である。 》 145頁

《 学的対象は、すくなくとも間接的には、こうした網の目状の全体につながるものとして捉えられる。──諸学の全体が網の目状を成すこうしたモデルは、「出発点の 唯一性、および連関の唯一性から確証の力を引き出す」立場、「理由と主題の唯一不可逆の序列」に従う演繹的な方法とは、まさに対極的なものである。ライプニッツの 学問がデカルトその他の哲学者たちと大きく異なっているのも、この点においてなのだ。 》 149-150頁

《 「多元集合体」、つまり事項のある集合と、それらが結びつけられ、「折り返し点」となる「一なるもの」としての事項によって形づくられる「一と多」が一対になった 関係こそがライプニッツの学問を読み解くための鍵である、とセールは言う。 》 153頁

《 こうした複数の「一対多」関係と、それらのネットワークについての洞察が、事象の世界全体にまで拡張されたところに、ライプニッツモナド論(モナドジー)は 成立している。 》 153頁

《 相互的で、多極的な「一対多」関係は、相互に参照しあい、表出しあうものであったが、それらの頂点が、宇宙におけるあらゆる具体的な事象にまで潜在的に拡張された ところに、「一なるもの」としての単純実体=モナドがある。 》 154頁

《 要するに、「一なるもの」には単一性の極限としてのモナドと、単なる同形性(Uniformite)、抽象的同一性としての側面があるのだ。 》 156頁

《 また、逆に言うと、同形性や抽象的同一性において捉えられるものを、いくら積み足していっても、それは具象的なものにならず、本当の事象性をもちえない。 》  157頁

 以上、メモ。

 朝イチで三島市の新型コロナワクチン接種の申込みをメールで行う。昨日通知書を見ると、印刷のQRコードを読み込んで手続きとの表示。それはない。手助けを得て ウェブサイトから申し込み。これまたわかりにくい。説明不足。なんとか終了したが、電話ではどれほど手間がかかるか。それにしても第一回目が来月とは。

 敗戦直後、教師を始めとする大人たちの掌返しの態度に絶望した少国民北一明は、焼きものに決して裏切らないものを認めた。そして陶芸家に。味戸ケイコさんの絵を前に 思う。彼女の絵もまた裏切らない。では、裏切る、裏切られる絵はあるのか。わからない。だが、恋愛と同じく熱が冷めるものはあるだろう。逆に覚める=覚醒させる絵も あるだろう。その絵の魅力にやっと気づくような。浮上沈没。手元の絵で手放したくなる絵はないが、手放してもいい絵はある。大事にしてくれる人に贈ってもいい絵。 そんなことを思うのは、やはり七十歳を迎えたせいかな。

 ネット、うろうろ。

《 あれ、誰が作ったのかなあ…………。

  「そこに行けばどんな補給も通じるというよ
   誰もみな行きたがるが遥かな世界
   その街の名は インパール
   何処かにある ユートピア
   どうしたら行けるのだろう
   教えて欲しい
   In Impahl, Impahl
   They say it was in India」 》 赤城毅/大木毅
https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1389934446892126210

《 すごい時代だ。コロナとオリンピックと改憲とがぐちゃぐちゃに。洗脳の方法に「前後の脈絡のない情報を絶え間なく与え続ける」というのがあるけれども、 まさに今だ。時代が洗脳時代に入っている。そうすると単純な論理に飛びつくようになる。二日酔いの朝に一杯の清涼な水が美味しく感じられるように… 》 安田登
https://twitter.com/eutonie/status/1390325388060987398

《 米ワシントンポスト紙が東京五輪中止促し、IOCバッハ会長らを「ぼったくり男爵」と呼ぶ→バッハ会長来日の際は、新宿のぼったくりバーに連れて行き、 1兆7000億円を請求しましょう。これで中止しても元が取れるね。 》 デーブ・スペクター
https://twitter.com/dave_spector/status/1390182145201610756

《 1964年の東京五輪が日本の高度経済成長と国際的地位向上の象徴とされてきた(実態はどうあれ)のに対し、2020年東京五輪は凋落と混迷の象徴になりつつある (もうなっている?)。では、関西経済のピークと言われる1970年大阪万博に対し、2025年大阪・関西万博はどうなるのだろうか…。 》 松本創
https://twitter.com/MatsumotohaJimu/status/1390250310094917633

《 「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証しとして、大阪万博を、開催して参りたい」
  「知事に伺います。開催オッズは、今どれぐらいですか?」 》 猟奇の鉄人
https://twitter.com/kashibaTIM/status/1390323136185307138

《 五輪アスリートに、医療者や高齢者をすっ飛ばしてワクチンを優先接種することは、スポーツ倫理学から見て巨大な問題がある。公的機関のかかわる健康の保障は 人間の能力に関わらず公正平等になされなくてはならない。アスリート団体はこの件について声明を出すべきだろう。沈黙するのではなく。 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1390275011617845251

《 前にも言ったが、いままで右翼保守は左翼リベに向かって「平和ボケ!有事になったらどうするんだ!」とずっと叫んでいたが、いざコロナという本物の有事が来てみる と、政府はじめ右翼保守陣営はオロオロするばかりで彼ら自身が完全に平和ボケだったことが明るみに出たわけさ。 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1390266609294462976

《 自民党政権が危機に対してなぜここまで無能なのかというと,徹頭徹尾「様々な業界団体」の利益調整機関だから,の一語に尽きる。 業界団体の持って来る要望に対して,政権が団体のバックにいる政治家の力関係を考慮しながら予算を配分する,というのが政治だと思っていてそれ以外を知らないから 》  Erscheinung45
https://twitter.com/Erscheinung35/status/1390137014272421888

《 検査を減らし感染者が少ないように見せかけることは出来た。なら電車の本数を減らそう。人流が減ったように見えるだろう。結果はぎゅうぎゅう詰めで 「満員電車は怖い」との悲鳴が上がった。リモートをとは言うが、出社しなけりゃならぬ人は多いのだ。そしてこの政権はそんな単純計算さえ出来ないのだ。 》   立川談四楼
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1390150652928552961

《 僕が浪人生で駿台に通っていた頃、誰かが机に

  Today is not Sunday
  (東大は駿台ではない)

  と落書きしていて、上手いこと言うなと思っていたら、ある日、誰かが、次のとおり書き足していた。

  It's Monday
  (それが問題である) 》 岡崎 敬
https://twitter.com/0kazakikei/status/1389851013968924674