『時間は存在しない』再読(閑人亭日録)

 カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』NHK出版2019年9月20日第2刷発行を少し再読。以下、覚え書き。

《 したがって、動いている物体が経験する時間は、静止している物体が経験する時間より短い。(引用者・略)動いている物体に対しては、時間が縮む。場所が異なれば時間が異なるだけでなく、場所を一ヵ所に限ったとしても、単一の時間は存在しない。時間の経過は、与えられた経路における物体の動きにのみ関係する。 》 45-46頁

《 「現在」という概念と関係があるのは自分の近くのものであって、遠くにあるものではない。
  わたしたちの「現在」は、宇宙全体には広がらない。「現在」は、自分たちを囲む泡のようなものなのだ。 》 49頁

《 わたしたち人間に識別できるのはかろうじて一○分の一秒くらいで、これなら地球全体が一つの泡に含まれることになり、そこではみんながある瞬間を共有しているかのように、「現在」について語ることができる。だがそれより遠くには、「現在」はない。 》 49-50頁

《 「宇宙の今」という言葉には意味がないのだ。 》 51頁

《 「宇宙の現在」が存在しないということが明らかになってから、すでに一○○年が経った。 》 59頁

《 じつは、何らかの形態の宇宙が「今」存在していて、時間の経過とともに変化しているという見方自体が破綻しているのだ。 》 60頁

《 だが、事物やその動きから独立した一様な時間が存在するという見方が、いくら今日のわたしたちにとって自然なことに思えたとしても、それは、太古からの人類の自然な直感ではなかった。ニュートンが考えたことだったのだ。 》 71頁

《 今わたしたちには直感のように感じられる見方も、じつは過去に科学や哲学が作り出したものなのだ。 》 75頁

《 物理学者たちが「場」と呼ぶその素材は、わたしたちの知るかぎりでは、この世界の物理的な現実の編み地を構成している。(引用者・略)ところが──ここが重要なのだが──さらに「重力場」というものが存在する。この場は重力の源であるとともに、ニュートンの空間や時間を織りなす素材、この世界のほかのすべてのものを描くための布地でもある。時計はその布地の広がりを測るための装置であり、長さを測るための計器は、その布地の広がりの別の側面を測る素材の一部なのだ。 》 77頁

《 時空は重力場である。そしてその逆もいえる。 》 78頁

《 世界はキャンバスの上に描かれた絵ではなく、キャンバスや層が重ね合わされたもので、重力場もそれらの層の一つなのである。重力場もほかの場と同様、絶対ではなく、一様でもなく、固定されているわけでもない。しなやかで、伸びたり、ほかのものとぶつかったり、押したり引いたりする。物理学の方程式は、すべての場が互いに及ぼし合う影響を記述する。そして時空もそのような場の一つなのだ。 》 78頁

《 こうして時間は、空間の幾何学と織り合わされた複雑な幾何学の一部となる。 》 80頁

《 量子力学は、物理的な変数が粒状であること(粒状性)と[ゆらぎや重ね合わせにより]不確定であること(不確定性)とほかとの関係に依存すること(関係性)、この三つの基本的な発見をもたらした。 》 84-85頁

 一日雨。家でゆっくり。過ぎゆく時を味わう。

 ネット、うろうろ。

《 【ご報告】本日、私と世耕弘成議員(当時大臣)との訴訟が、和解によって終結しました。内容には満足しております。今後この結果が、統一教会問題、反スラップ法制定運動の両面で、足がかりとなることを願っております。 》 中野 昌宏【訴訟終結
https://twitter.com/nakano0316/status/1636625811217469440

《 マイナ保険証の謳い文句の一つ「より良い医療が可能に」。でもどだい保険証がマイナカードになっただけで急に医療の質が良くなるわけがなく、よく読むと単なる情報の紐付け。より良い医療でもなんでもない詐欺同然の口八丁コンサル行政。
  #保険証廃止やめて
  写真はつい最近送られてきたチラシです。 》 yukan
https://twitter.com/yukankmr/status/1636714186112905217

《 「第2次安倍政権ではさまざまなことが勝手に閣議で決められました。13年の「特定秘密保護法」、15年の集団的自衛権の行使を可能とさせる「安全保障関連法」、そして岸田文雄政権での「防衛費増額」「原発再稼働」。自民党は野党の質問にも国民の声にもまともに答えず、そもそも会話になっていない。」 》 本田由紀
https://twitter.com/hahaguma/status/1636956804172382209

《 安倍内閣から続いている重要事項の「閣議決定」は日本の「代議制民主主義」の重大な危機ですね。重要な公金支出、課税、増税などを「議会の予算審議」を経ずに勝手に決めることは近代立憲主義の歴史を冒涜するものであり、首相は「勘定」を明らかにして「応答・説明責任」を負うと。 》 Hideo
https://twitter.com/hideo7757/status/1636938063770427392