『今日のアニミズム』再読・四(閑人亭日録)

 奥野克己・清水高志『今日のアニミズム以文社2021年11月30日 初版第1刷発行、奥野克己「第四章 他力論的アニミズム」を読んだ。

《 本章では、アニミズムを、自力ではなく他力によって、つまり人間の力ではなく、目に見えない大きな力によって現れるものだと捉える視点に立って考えてみたいと思う。 》 183頁

《 アニミズムは、自分と自分の周囲の世界の連絡通路をつねに開いておく、つまりモノや他生にも注意を払うことで、モノや他生や世界の側からの働きかけに私が応じるという機序で成立するように思われる。 》 188頁

《 第一章で指摘したように、こちらからひとつらなりあちら側は、因果律に囚われない非因果連関を原理とする世界であった。アニミズムには、私たちの住まう現実世界と、その実在と秩序を無効にしかねないあちら側の世界との往還運動が含まれていた。 》 197頁

《 アニミズムは、他力に対して自己をつねに開かれた状態にしておくことによって、駆動するようになる万物の動きを孕んでいる。 》 213頁

 昨夜ふっと聴きたくなり、レコード棚を探したが、見つからず、今朝見つけたモダン・ジャズ・カルテットのLPレコード『COLABORATION WITH LAURIND ALMEIDA』1964年録音を聴く。
 https://www.youtube.com/watch?v=fHTzjZFloII
 https://www.youtube.com/watch?v=cl8EgQGA4kU
 このジャケットの絵、ホアン・グリス Juan Gris『Still Life with Guitar』(ギターのある静物)でこの画家を知った。”Still Life”を”静かな生活”と訳していた若き日。