昨日の風景に関する引用で、ふっと思い出した白砂勝敏さんの絵への論及「生成する絵画」2013年。これまた彼から書いてほしいと依頼され、書いたもの。
https://shirasuna-k.com/gallery-2/two-dimensional/
《 「生成する絵画」 K美術館館長 越沼正
絵はどこから生まれてくるのか。
そんな問を、白砂勝敏氏の不定形絵画群は呼び覚ます。
天啓、降りてきたひらめきを捕捉した絵画がある。
対して白砂勝敏氏の絵は、無意識の際(きわ)から来訪した
微動する何かが、氏の筆先に伝わり、その微動に鋭敏に感応した筆先が、
刻一刻と生動する航跡を紙面上に転写したものであると私は推測する。
芽生えた動きは生育し、成長し、そして止まる。
それぞれの無二のかたちは、どこか時間の生命態を想起させる。
白砂勝敏氏は、自身の直感に従い、その顫動(せんどう)する
描線に独特の彩色を添える。 》
同様なことを書いている、というのは僭越かな。
ティム・インゴルド『応答、しつづけよ。』亜紀書房 2023年6月2日 初版第1刷発行、奥野克己「訳者解説」を読んだ。
《 この言葉を読んで、最後のページをめくり、カバーを閉じ、戻ってくることを考えてみてほしいとインゴルドは述べる。だから、最後の章のタイトルは。またいつか出会えることを願って「またね」なのである。 》 414頁
大熊ワタル編『我方他方 サックス吹き・篠田昌己読本』共和国2022年12月8日初版第1刷発行の「篠田昌己におくる言葉」の章、大学時代の同級生、今沢裕の言葉を想起。一ページに一言「またな」。彼らしい。
https://honto.jp/netstore/pd-book_32131005.html
昨日買ってきた63円と84円の切手「美術の世界 第五集 ─白の世界─」をまじまじと眺める。
https://www.post.japanpost.jp/kitte/collection/archive/2023/0802_01/
選出作品が少し異なり、同じ作品でもトリミングが違っている。84円切手にヴィルヘルム・ハンマースホイがある。ちょっと驚く。陶芸の初代宮川香山ほか、あまり知られていない日本人画家の作品も。それほどすごいのかな、と市井人は思う。私なら・・・北一明の茶碗。「白麗肌磁呉須字書碗『人生夢幻』」「白雪釉斜傾文乳頭盃」を挙げる。彼は、あまり知られていない、ではなく殆ど知られていない、だな。
http://web.thn.jp/kbi/ksina.htm