堤未果『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』幻冬舎新書二〇二三年五月三十日 第一冊刷発行、「序章 9.11と3.11──私のショック・ドクトリン」を読んだ。
《 武器というのは不思議なもので、増やせば増やすほと不安が大きくなるのです。 》 20頁
《 けれどもう一つ、9.11直後のアメリカで身に染みた、絶対に忘れてはならないこと。
それは、一度成立してしまったら、凄まじい勢いで社会を変えてしまう「法律の力」です。 》 25頁
《 その人は気の抜けた私を見て、言いました。
「心が動かなくなっているのは、情報が入りすぎているからです」 》 29頁
《 真実とはいつの世も、努力なしには手に入らない貴重品なのです。
ならば、と私は自分自身に言いました。
「自分の手で探しに行こう」 》 34頁
「第1章 マイナンバーという国民監視テク」を読んだ。
《 水道民営化にしてもキャッシュレスにしてもですが、どうも日本は、諸外国が試してみた後で、うまくいかなくなって撤退する頃に「さあ追いつけ追い越せ!」と諸手(もろて)を挙げて参入する傾向があるようです。 》 100頁
《 ショック・ドクトリンが機能するために、絶対欠かせないものの一つ。それは、政府と企業の間をキーパーソンが行き来する「回転ドア」です。 》 109頁
《 NTTデータにNEC、日立製作所に富士通……自民党に2億4000万円を寄付しているこの4社は、総務省をはじめ関係省庁の官僚が「回転ドア」をくぐって大量に天下りしている企業でもあるのです。 》 110頁
《 こうして、住基ネットのお友達企業数社と天下り官僚たちは、マイナンバーカードという新たな巨大利権を見事に引き継いだのでした。 》 112頁
《 マイナンバーがないと「行政が追加できないこと」は2つです。
1 全国民の金融資産(預金・有価証券・電子マンネーなどすべて)を、リアルタイムで完全に把握すること
2 国民の思想と行動を把握すること 》 114頁
《 これだけ広範囲の個人情報が紐づけられたカードが、行政の判断で利用範囲をどんどん広げることができてしまう。 》 122頁
《 ワイドショーが横並びで取り上げるショッキングな事件もまた、政府や企業にとって、通常なら反対されるような大きな変化を一気に移すチャンスだということを、私たちはよく覚えておきましょう。 》 135頁
《 反対意見をブロックするデジタル大臣への文句をいくらネットで書き込んでも無駄ですが、マイナンバーのセキュリティ体制や個人情報保護、透明性がしっかりするまで、カードは作らない、使わない、という意思表示をするかどうかは私たち次第です。 》 140頁
《 マイナンバーカードを作りたくない人はどうすればいい? 》 144頁
《 政府のやりたい放題を止めるための十条 》 145頁
最後の強調字の二行の内容は背中を押される気分。周囲の友人知人にこの本を、内容を教えたいが、マイナンバーに無関心な人たちばかり。話題にもならない。力が抜ける。
それにしても、読んでいて気づいたが、きょうは9月11日。