自律する色彩と形態(閑人亭日録)

 描く対象からの色彩の自立そして自律。それが印象派の始まりではないか?とふと思い浮かんだ。写真が発明されたから印象派が生れた、と美術史では語られるが。教科書的な美術史認識ではなく、我流の思いつきが浮かんだ。そして対象の形態からの自立そして自律が、抽象画への道筋ではなかったか。自分勝手な思いつきは愉快。こんな妄想?を抱いたのは、正倉院御物を収録した宮内省御蔵版『東瀛珠光(とうえいしゅこう) 』第三冊 審美書院明治四十一年十一月三十日發行掲載、「第百六十九 黄楊木金銀繪箱」正面の彩色木版による複製画と「第百七十 緑地彩繪箱及粉地花形方几」正面の彩色木版による複製画を見て、浮かんだ。以前にも書いたが、どちらもじつに見事なデザイン、文様だ。古びていない。新鮮。
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