2000年4月、大阪市立美術館で開催された「フェルメールとその時代展」へ日帰りで行った。意外とすいていて、観客に邪魔されず、お目当ての修復を終えた『天秤を持つ女』1664年頃をじっくり鑑賞できた。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%A7%A4%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A4%E5%A5%B3
満足満足、新幹線で即帰宅。大阪市立美術館に「なぜ東京からたくさん人が来るの?」と耳にした。大阪人には興味がないんだなあ、と思った。
昨日のジョルジュ・ド・ラ・トゥールとヨハネス・フェルメールを較べてみたくなるが、私にとっては西洋画家の双璧としか言いようがない。二人の絵の現物をこの目で間近に観られたのだから、画集は要らない。印刷ではこの衝撃~感動は味わえない。今でもそう思う。また見たいが、大混雑だろうなあ。いい時に観た。
朝から雨模様。肌寒い。午前九時 5.3℃。気が滅入るような天気。彼女のお友だちにショート・メールを送信。一般病棟に移ったから面会できます、と。返事が来る。嬉しさがつながる。
午後、雨が止んだので傘を手に駅へ。駅を降りてバスに乗車。雨が止んでいる。でも厚い雲。病院の広い待合室は変わらず人、人、人でごった返している。人ごみを抜けてエレベーターで病室へ。ベッドに腰掛けている。「やあ」と挨拶。彼女のとりとめにない話に耳を傾ける。娘さんが、頼まれて買ってきた二冊の雑誌を自宅へ持って帰るよう頼まれる。体調は少しずつ戻ってきているように見える。
「もう帰っていいよ」
初めて聞く発言……。一時間たらずの滞在。病院玄関では本降りの雨。客待ちのタクシーに乗車。駅へ。電車の車窓から早、暮れなずむ雨空を眺める。「雨に濡れた慕情」…そんな歌が浮かぶ。慕情ではないな。雨に洗われた心情、かな。午後四時前帰宅。ほんと暗いわ。
雨は夜も降りしきる。冬の雨。